2020年4月29日(水)
山口 湯田温泉 飲食店主ら苦悩
営業再開 五里霧中
“継続的支援が大事”
山口市の湯田温泉街はホテルや旅館、居酒屋などの飲食店が連なる観光地ですが、新型コロナウイルスの影響で多くの飲食店が自主休業しています。知恵を絞り、部分的に営業しながら苦悩する飲食店現場の声を25日、日本共産党の大田たける市議団長と聞きました。(山口県・横沼惇子)
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「経営は上り調子で、どこまで伸ばせるかなと思ってたんですが…」と話すのは、路地裏に店を構える40代男性です。午後6時から深夜の通常営業は、時間短縮を経て、全国に緊急事態宣言が発令された後に休止。貯金を取り崩して家賃など固定費を支払い、「プラスにはならなくてもマイナスにならないように」とテークアウト(持ち帰り)弁当などを販売し、宅配を始めようと準備中です。「近所では人気店からも『どうしたらいいか分からない』とか『もう閉めようか』という声を聞く」といい、スタッフの30代女性も「営業する店も、来るのは1日数千円でも入らないとやっていけないからと開けているようです」と案じます。
同じく宣言後からテークアウトに切り替えた別の店のオーナーシェフ(40代男性)は、融資など「使える制度は全て手続きしました」。連日、注文が入りますが、受け取りに来店してもらうのは感染拡大防止と「矛盾する」と、内心は複雑です。
市内業者から上がる「家賃が払えない」などの声を受け、市は4月の売り上げが前年同月比で2割以上減った飲食店に、家賃補助として1店舗あたり最大30万円を支給するなどの緊急経済対策を発表(22日)。両店からは負担が大きい家賃への支援を評価する声とともに、感染リスクを減らすため「商品を宅配する仕組みを店同士や行政と協力してつくれないか」と、模索する声も上がりました。
同時に共通するのは、いつ通常営業を再開できるか見通せないことへの強い不安です。「国も自治体も、支援を単発で終わらせないことが大事です」と大田市議。前出の女性はいいます。「仕事や生活が立ち行かなくなる人を救う手だてが必要なんじゃないでしょうか」