2020年4月25日(土)
知りたい聞きたい
新型コロナ感染どう調べるの?
PCR法や抗体検査で
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Q 新型コロナウイルスの感染者が急増していますが、感染しているかどうやって調べるのですか?(東京都・70代男性)
A 鼻やのどから採取した検体を、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法という方法を使って調べます。PCR法は、ポリメラーゼという酵素やヌクレオチドというDNAのもとになる物質などを使って遺伝子を短時間で大量に増やす技術。検体に新型コロナウイルスが少ししか含まれていなくても、特有の遺伝子を検出可能な量まで増やし、感染しているか判断できます。
ただ、感染していても、遺伝子が検出できない場合もあります。ウイルスの量がPCR法の限界以下であることなどが原因と考えられています。特に感染初期の検出率は、中国での研究から60~70%程度にとどまっているといいます。
PCR法は、ウイルスが体内に存在するかを直接調べる方法ですが、感染によって体内でつくられるたんぱく質を調べる方法もあります。抗体検査です。
ウイルスなどの病原体が体内に入ると、その病原体に対応した抗体というたんぱく質(免疫グロブリン=Ig)がつくられ、病原体を排除します。抗体検査ではこの抗体の有無により、新型コロナウイルスに感染しているか、あるいは感染したことがあるかを調べます。
PCR法は、検体を採取するときに飛沫(ひまつ)などを浴びる危険性があり、防護服や高性能マスクなどを着用する必要があります。これに対し、抗体検査に必要な血液の検体は指先から採取でき、比較的簡単で安全とされます。
新型コロナウイルスは無症状の感染者が多いとされますが、抗体は症状がない人でもつくられるため、感染者の実際の数を調べるのにも適しています。ただ一般的なウイルス感染症の場合、発症後、血液中に抗体が検出されるまで1週間程度かかるとされています。
国立感染症研究所が市販の試薬でIgMとIgGという抗体の検出をした結果、新型コロナウイルス感染症の発症から6日後までは抗体の検出が困難で、1週間後でもIgGの検出率は2割程度、その後時間とともに検出率が上昇し、発症13日以後、ほとんどの感染者でIgGが検出されるようになったと報告されています。IgMの検出率は、さらに低かったといいます。
(2020・4・25)