2020年4月23日(木)
大企業本位の投融資
衆院委 政投銀法改定案が可決
清水氏反対討論
|
大企業の競争力強化などを目的に日本政策投資銀行が成長資金を出資する「特定投資業務」の期限を5年延長する日本政策投資銀行法改定案が22日、衆院財務金融委員会で採決され、自民党、公明党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
日本共産党の清水忠史議員は反対討論で、昨年9月末までの特定投資業務の実績は投融資額の86%が大企業への支援だと指摘。政府金融は中小企業や地域経済、環境などへの融資に集中すべきだと述べ、「大企業本位の投融資から撤退し、財投債の減額による国民負担の軽減が必要だ」と迫りました。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策では、中堅・大企業等の資金繰りを支援するために政投銀などを通じて財政投融資規模約6兆円の補正予算を組んでいます。清水氏は、欧米では大企業に支援する場合、雇用維持や配当金支払い停止などを条件づけていると強調。「日本も欧米並みに条件をつけるべきだ」と指摘しました。
財務省の神田眞人総括審議官は、米政府が航空各社への融資条件に、9月末までの雇用維持や返済後12カ月経過するまで自社株買いや配当金の支払い禁止を決定した事例などを紹介しました。しかし、麻生太郎財務相は雇用調整助成金をあげ「条件をつけなくても常識的に雇用は確保される」と強弁し、清水氏は「公的資金で支援する企業に雇用を守らせるのは当たり前だ」と批判しました。