2020年4月15日(水)
年金制度改定法案
宮本徹議員の質問(要旨)
衆院本会議
14日の衆院本会議で審議入りした年金制度改定法案に対する日本共産党の宮本徹議員の質問(要旨)は次の通りです。
総理、なぜ、今、このタイミングで年金法案の審議なのですか。年金法案の審議は先送りして、すべての知恵と力を新型コロナウイルス対策に振り向けるべきです。
医療は崩壊寸前です。政府の責任で医療現場に個人防護具を供給し続けること、医療関係者に特別手当を出し、潜在医師・潜在看護師への復職を呼びかけること、病床確保・軽症者の宿泊施設確保の財政支援の抜本的引き上げ、「発熱外来」とPCRセンターの設置と支援、保健所体制・検査体制の抜本的強化、病院の経費増と減収の全額補償、これらのために予算の大幅な拡充を求めます。
補償なしの自粛要請では、安心して休業できません。50%以上の売り上げ減少要件の緩和、給付上限の抜本的引き上げ、家賃など固定費がまかなえる継続的支援を行うべきです。
1世帯30万円の給付金は対象が限られ、不公平です。多くの国民が自粛要請、休業に協力しています。個人にはまず1人10万円の給付、事業主含め働く人には継続して賃金・収入の8割を補償する制度をつくるべきです。生活に窮した学生の経済的支援をすべきです。
年金法案は、国民がかかえる老後の不安に応えるものではありません。基礎年金を実質3割削減するマクロ経済スライド適用はやめるべきです。
年金削減の仕組みを放置した一方で、国民に自助努力を求めるものです。これまで70歳までだった年金受給開始時期の選択肢を75歳開始にまで広げます。65歳になれば働かなくとも暮らせる年金制度こそめざすべきです。
公的年金に上乗せする確定拠出年金に加入できる年齢を延ばします。公的年金の削減をすすめ、他方で元本割れのリスクのある確定拠出年金を推奨することは、無責任です。
いま、政治がやるべきは、頼れる年金制度をつくることです。
国民年金と厚生年金を財政統合すれば試算では年金の削減率は8%程度にまで抑制できます。
給付水準を守るために新たな財源確保が欠かせません。標準報酬の上限を健康保険と同じ水準に引き上げ、高額所得者の年金給付の伸びを抑制する仕組みを導入すれば、1兆円の財源が確保できます。
さらに最低保障年金制度を創設すべきです。
安倍政権は、2014年、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用する年金積立金のポートフォリオ(資産構成)を変更し、それまで4分の1だった株式比率を倍増させました。しかし、いま、世界で株価が下落しています。成り行きによってはポートフォリオ変更後の運用益はマイナスになりかねません。年金の積立金は安定運用すべきです。