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2020年4月12日(日)

“収入も客足も8割減”

軒並み「臨時休業」

要請初日 店主ら不安口々、解雇も

東京・新宿

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(写真)緊急事態宣言を受けた東京都の休業要請初日、人影のまばらな新宿・歌舞伎町=11日

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言を受け、東京都が休業要請した初日の11日。国内屈指の繁華街がある東京・新宿はいつもの週末と比べて人影はまばらでした。(松沼環、和田育美)

 新宿駅近くの西口商店街にある通称「思い出横丁」。狭い路地の両側に立ち並ぶ店の入り口には軒並み「臨時休業」の張り紙が。

 都は飲食店に午前5時~午後8時の時短営業を要請。横丁ですしと2軒の焼き鳥店を営む男性(71)は、3日から休業しています。3月の売り上げは約2割で、4月はほとんどないといいます。従業員は15人程度。「国の雇用調整助成金などすぐに出ないから、つなぎの借り入れを考えている。手続きも大変で、社会保険労務士に頼むとお金がかかる。出ていくばかりだ。国は決めるのも出すのも遅い。父親の代から70年営業しているが、こんなことは初めてだ」

 都は休業した場合、2店舗以上は100万円、1店舗の業者には50万円を「協力金」として支給するとしています。寄席の新宿末広亭近く、居酒屋などの飲食店が軒を連ねる新宿三丁目のバー店長(39)は、収入が多かった時の1割ぐらいだと嘆きます。「宣言出すのはいいけど、出すなら補償をしっかりしてほしい。2店舗以上経営しているので、都から100万円もらったところで足りない。少しでも売り上げになればと店は開けている」

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(写真)閑散とした「思い出横丁」=11日、東京都新宿区

 新宿三丁目でタイ料理店を25年営むタイ人の女性店長(55)は「お客さんが全然来ない、すごく困っている」。店舗家賃は60万円近くかかります。「4月分は何とか払ったけど、来月、再来月と払えるかどうか」。2人いたコックにも辞めてもらう話をしました。「何とか助けたいけど、給料が払えない…」

 「東洋一の歓楽街」と呼ばれた歌舞伎町。通行人は少なく、客引きが看板をもって所在なさげに立っていました。閉店している店も目立ちます。チェーンのそば店では時間を短縮して営業していました。バイト従業員は入れず、社員だけで回しています。店員は「外国人のお客が多かったが来なくなって、収入も8割ぐらい減っている」と話します。

 歌舞伎町で化粧品の免税店で働く男性(24)は「客足は8割ほど減った。お客が来ても、聞かれるのはマスクやアルコール消毒関係の商品ばかり」といいます。「入荷があれば販売できるが、入っていないので売り上げにはつながらない」

 ネットカフェは都が休業要請をしている業種です。歌舞伎町では営業中のネットカフェがありました。アルバイトの店員は「感染防止のため、お客にアルコール消毒や、ブースを一つあけて利用してもらうなどの対策はしているが、営業時間の変更や休業などの話は聞いていない。今後どうなるのかは心配だが、本部が決めることなので…」と、不安そうに話していました。


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