しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年4月10日(金)

コロナ影響 解雇相次ぐ

賃金不払いも 問われる厚労省

写真

(写真)臨時休業を知らせる店舗の張り紙=9日、東京都新宿区

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で解雇や雇い止めが相次いでいます。労働法無視の不当解雇も少なくなく、厚生労働省の姿勢が問われています。

 東京都内でタクシー事業を展開するロイヤルリムジンは8日、グループ会社を含め約600人を解雇する方針を明らかにしました。

 業績不振による解雇には正当な理由や解雇回避の努力などが必要ですが、国の雇用調整助成金を使って雇用を維持するのではなく、いきなり解雇しようとするものです。

 ハウステンボス(長崎県佐世保市)では3月中旬、派遣社員40人のうち半数以上の契約を打ち切りました。契約途中の打ち切りは、特別に重大な理由がなければ認められませんが、お構いなしです。

 労働組合や弁護士団体には「在宅勤務をしているが、5月末で解雇といわれた」(不動産会社の女性社員)「自宅待機をしていたが、明日いきなり切るといわれた」(60代の派遣社員の男性)など深刻な訴えが寄せられています。「施設見学者が感染と分かり自宅待機になったが、賃金補償がまったくない」(介護施設の20代男性)など賃金不払いも少なくありません。

 一時帰休も広がっています。マツダは広島、山口両県にある工場で一時休業を開始。日産自動車も栃木工場を2週間、生産停止する計画です。これに伴い下請け企業などに影響が広がることが懸念されています。

 厚労省はリーマン・ショック時には「派遣切り」防止の通達を出すなどの対応を見せましたが、今回はそうした通達もありません。

 全労連などは、労働基準監督署などによる指導の強化と体制確保を求めています。

 雇用調整助成金については助成率をリーマン並みの3分の2(中小企業は5分の4)に引き上げますが、全労連などは、持ち出しを嫌がって申請しない企業が出ないように、「10割助成」にするよう求めています。


pageup