2020年4月8日(水)
きょうの潮流
ほんとうに、まん延を防ごうとしているのか。自分を、家族を、社会を守ろうと訴えながら、本気度が疑われる。そんな不信と批判がひろがっています▼コロナ感染の症状が出ているのに検査してくれない―。ツイッターでも話題にのぼっているように、こうした悲鳴が各地であふれています。記者も都内に住む知人から、40代の息子が感染の有無がわかるPCR検査を拒まれたいきさつを耳にしました▼発熱して病院に。かぜ薬を処方されたが数日たっても下がらず。さらに共働きの妻が嗅覚を失い、一緒に仕事をしていた同僚も発熱。感染を疑い相談窓口から保健所に電話。しかし、あなたはどのケースにも当てはまらないと検査を拒否される▼日を変え本人と妻の検査を求めたが、またも対象外だと。煩雑な手続きに気力もうせ、こんどは両親が保健所に問い合わせるが、たらい回しにされたあげくつながらず。結局、自己の判断に任され、妻も疑いを抱えたまま…▼こんな事例が後を絶ちません。保健所もてんてこ舞い。この30年で300以上も減らされ、コロナ対応でパンク状態。現場はひっ迫し、疲弊しています。医療や福祉を削り続けてきた国の失政も背景に▼生活の補償や医療体制の強化をはじめ、急がれる課題は山積しています。そんななかで緊急事態宣言が出されました。安倍首相は世界をみても最大級の経済対策だと胸を張りますが、苦境の実態が改善されるのか。いま列島に渦巻く声。行政としてやるべきことをやってくれ。