しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年4月3日(金)

5都府県 医療体制切迫

専門家会議 地域を3区分

東京・大阪、感染拡大警戒

写真

(写真)人通りが減った歌舞伎町一番街=3月30日夜、東京都新宿区

 1日に発表した新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言では、地域ごとの感染状況に応じて対策を進めるための三つの区分が示されました。

 三つのうち、感染者が急増しており最も厳しい対策が求められるのが「感染拡大警戒地域」。直近の1週間の新規の感染者や感染経路不明の感染者、帰国者・接触者外来の受診者が前週と比べて増加している地域です。

 同日の記者会見で脇田隆字座長(国立感染症研究所長)は、東京都と大阪府について「感染拡大警戒地域」に当たると認めました。

 この地域では、自治体の首長から期間を明確にした外出自粛要請などのメッセージを発信すること、市民が10人以上の集会やイベントの参加を避けること、家族以外の多人数の会食を行わないこと―などを例示しました。拡大警戒地域内の学校の一斉休校も検討すべきだとしました。

 「感染確認地域」は、新規感染者や経路不明の感染者が一定程度の増加幅に収まり、帰国者・接触者外来の受診者もあまり増えていない地域。「感染未確認地域」は、帰国者を除き感染者が確認されていない地域です。

 どの地域でも共通して「換気の悪い密閉空間」「人が密集」「近距離での会話や発声」という「三つの密」を避けるよう求めています。

 提言は具体例として、「三つの密」がより強く重なる夜間営業のバーやナイトクラブなど接客を伴う飲食店、カラオケ、ライブハウスへの出入りを控えることを呼びかけました。脇田座長は送別会などでの集団感染例にふれ、「居酒屋などでの宴会もなるべく避けるべきだ」とのべました。

 都市部を中心に医療機関や福祉施設などでの集団感染が次々と報告され、感染者数が急増していることについて、提言では「爆発的感染が起こる前に医療供給体制の限度を超える負担がかかり、医療現場が機能不全に陥ることが予想される」と危機感を表明しました。特に人口が集中する東京、神奈川、愛知、大阪、兵庫の5都府県は医療体制が切迫しているとして、緊急に抜本的対策を講じるべきだとしています。

 感染症指定病院だけでなく一般病院での患者受け入れ、医療従事者の応援派遣など総力戦で当たること、軽症者が入院でなく自宅療養、施設宿泊する選択肢にも言及しました。

 提言では、「三つの密」を避ける市民の行動の徹底や医療体制確保のため、政府に対し、休業を余儀なくされた店舗などの事業継続支援、従業員の生活支援などの経済的支援策を求めました。また、医療崩壊を防ぐための病床確保、医療機器導入などの支援、重症者増加に備えた人材確保などに万全を期すべきだと強調しています。

図

pageup