2020年3月30日(月)
ビキニ核被災の全容は
高知・室戸 交流会 「後世に残す」
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アメリカが太平洋・ビキニ環礁で強行した核実験(1950年代)による核被害を追及する「ビキニ核被災検証会」は29日、核実験に遭遇したマグロ船の主力母港だった高知県室戸市内でフィールドワークと元船員や遺族との交流会を行いました。
太平洋核被災支援センター副代表の濱田郁夫さんが、「支援する会室戸」を結成し、100人の元マグロ漁船員の証言記録を集めようと活動をはじめたことを報告しました。マグロ船第七大丸(157トン、乗組員29人)は、その航路から1954年3月1日のブラボー実験と3月27日のロメオ実験という二つの水爆実験に遭遇したと強調。厚労省が開示した米側文書には「人体19人から反応あり。反応のあったものに頭髪を全部刈り取るよう指示」とあったと紹介。濱田さんらの調査で漁船員29人中13人で病歴確認、うち8人ががんを発症していたと語りました。
濱田さんは、「ビキニ核実験の被害漁船員への労災認定を認めなかった国を相手に30日に起こすビキニ労災訴訟勝利の支援を広げ、被災の全体像を後世に残すため、頑張りたい」と語りました。
第五福竜丸関係者からは、「現在の核保有大国が行った太平洋での核実験は、1954年だけでなく、56年が16回、58年が31回とむしろ多くなっていた」と指摘しました。
フィールドワークには、日本共産党の吉良富彦県議が参加し、ビキニ被災者を支援するため行った県議会での論戦などについて発言しました。
フィールドワークに先立ち、参加者は室戸市の沿岸部にある「水掛地蔵」群を見学しました。室戸市教育委員会の掲示板には「石の地蔵のほとんどは、海難事故で亡くなった人々を弔ったものである。遠洋漁業の発達に伴って遭難船が増加」したとあります。