2020年3月27日(金)
自粛要請で苦境に陥っている事業者・個人に、「感染防止対策」として抜本的直接支援を
日本共産党幹部会委員長 志位和夫
日本共産党は、3月12日に発表した緊急経済提言で、「休校要請、イベント自粛要請など、政府の要請にともなって仕事や収入を奪われた人や事業者には、国の責任でそれを補償することを、大原則にすえ実行する」ことを求めた。
この立場は、東京都が週末外出自粛要請を行うなど、新型コロナの感染が深刻化・重大化するもとで、政府・自治体が行う自粛要請を実効あるものとし、感染拡大を防止するうえでも、きわめて重要になっている。
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政府は、この間、新型コロナ感染拡大防止のために、全国一律休校要請、イベント自粛要請、さらに「三つの条件」(密閉、密集、密接)を避けるという要請など、さまざまな自粛要請を行っている。
その結果、多くの飲食店、観光、宿泊、運輸、介護などの中小・小規模事業者が、家賃・水光熱費、賃金などの支払いを求められながら、収入を絶たれ、事業の継続の展望が持てない厳しい苦境に追い込まれている。直接「イベント自粛」という形で名指しされた劇団、芸術、音楽、ライブハウスなどの事業者、それらに関わるフリーランスをはじめ多くの個人は、きわめて厳しい状態に陥っている。
わが党は、これらの事業者・個人に、政府が直接支援を行うことを求めてきたが、政府の対応は、一定の無利子融資などを行うが、直接支援を否定するというものになっている。自粛を求めながら直接支援を行わないという姿勢は、感染拡大防止を実効あるものとするうえでも、大きな問題となっている。
日本共産党は、こうした姿勢を根本から変え、政府・自治体による自粛要請で苦境に陥っている事業者・個人に対して、たんに「経済・景気対策」という見地からではなく、何よりも国民の命を守るための「感染防止対策」として、思い切った予算をつけ、緊急に直接支援を行うことを強く求める。
(2)
直接支援の内容は、それぞれの置かれている状況に対応しなければならないが、以下の三つの方向を政府に対して強く求める。
1、働く人の生活と雇用を守る。
雇用保険加入者は雇用調整助成金の対象になるが、現行の3分の2の補助率を10分の10に引き上げる。フリーランスや雇用保険未加入の非正規労働者に対しても、一般の労働者と同程度の水準の所得補償を行う。
2、事業者に対して、無利子融資の拡充、税・社会保険料の減免、固定費への直接助成を行う。
政府や自治体の自粛要請によって直接・間接に経済的損失をこうむる中小・小規模事業者に対して、無担保・無利子融資の対象を広げ、融資枠を20兆円規模に拡大する。さらに、税や社会保険料の減免、家賃・地代・水光熱費・リース代をはじめ、事業を存続させていくうえで必要な固定費を直接助成する。
3、イベントなどの中止にともなう必要経費を補填する。
会場のキャンセル料、出演者への支払いなど、イベントなどの中止にともなう必要経費の補填を行う。