2020年3月22日(日)
新型コロナ対応
感染で損失、納税猶予
国税庁、柔軟対応を約束
清水氏が要求
国税庁は新型コロナウイルスの影響を受ける納税者への納税緩和措置を盛り込んだ通達(9日付)を、各国税局徴収部長宛てに出しました。これは10日の日本共産党の清水忠史衆院議員の財務金融委員会での質問で分かったもの。
通達は「新型コロナウイルス感染症の発生に伴い納税が困難な者への対応について(指示)」。趣旨は「新型コロナウイルス感染症の発生に伴い財産に相当の損失を受けた納税者、売上の急減等により納付資力が著しく低下している納税者等から納付相談を受けた場合は、法令等及び本通達に基づき、納税緩和措置を適用する」とし従来の災害よりも柔軟な対応を指示しています。
対象は、主に本人や家族、従業員が感染した場合や消毒作業などによって財産に損失を受ける企業。各種イベントの中止・延期、観光客の急減、売り上げ低下で納税資金が捻出できないことを想定しています。
納税の1年間、猶予期間を認め、損失の調査は帳簿がなくても「聞き取り調査」でも差しさわりないなどとしています。
国会でのやり取りで清水氏は申告、納付期限の延長を要求。田島淳志国税庁次長は、「やむを得ない事情がある場合には、個別に申告、納付等の期限を延長できる制度がある。納税者個々の実情をよく聞き対応する」と答弁しました。
また、清水氏は、中小企業の一部や、小規模事業者、飲食店などで売り上げが激減し資金繰りが悪化していることをあげ、「納税そのものが困難となっている」と指摘しました。
田島氏は「申請により納税の猶予が可能。猶予期間は1年以内だが、やむを得ない理由があると認められるときは、更に1年延長できる」としました。
融資の問題で清水氏は、差し押さえや滞納処分は「慎重に行うべきだ」と述べ、これまでと違う万全な対応をとるよう職員への周知を求めました。田島氏は「税務職員によって対応が異なってはいけない」とし、指示文書の徹底を約束しました。