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2020年3月15日(日)

郵政の年休優先に批判

休校対応 労働者に負担転嫁

 日本郵政グループが新型コロナウイルスの感染拡大に伴う学校休校で仕事を休む保護者に対し、政府が助成する特別休暇ではなく、年次有給休暇を優先して取るよう指示していることが大問題になっています。「政府の政策で休まざるをえないのに労働者に負担を転嫁するのか」と批判の声が上がり、見直しが迫られています。

 特別休暇には企業に日額8330円まで助成されますが、日本郵政は年休を使い切った人に限ると通知。「年休に優先し特別休暇を適用するなどの乱用は行わないよう注意」と明記しました。

 休校対応に年休を使えば他に使えなくなる可能性があり、労働者の意思で取得すべき年休を指示するのは問題と厚労省も指摘しています。郵政は利用者が相次ぐと業務に支障が生じると関係者に説明。国の助成は上限があり、超過分は企業負担になることも背景にあるとみられます。

 公務では、正規・非正規雇用を問わず有給の特別休暇を付与。郵政は政府が過半数の株式を保有しています。

 郵政では社員が感染した場合、正社員は有給、非正規社員は無給となります。郵政労働者ユニオンは、処遇差別は許されないとして非正規社員も有給とするよう求めています。

 日巻直映委員長は「学校休校で年休を使えというのも、感染した場合に正規・非正規で格差を設けるのも、政府が過半数の株式を持つ企業として許されません。他社に与える影響も大きい。労働者の意見と社会的責任を自覚し、感染対策に全力をあげるべきです」と話しています。


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