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2020年3月12日(木)

麻生氏 “また”差別助長発言

新型コロナを「武漢ウイルス」

WHO方針は“地名を用いず”

 新型コロナウイルスを「『武漢ウイルス』と呼ぶべきだ」との発言が麻生太郎財務相や自民党議員から相次いでいます。世界保健機関(WHO)は、特定の地域や民族に対する差別や経済的な悪影響を防止する観点から、感染症の病名に地名を使わない方針を定めています。「武漢ウイルス」発言は差別や風評被害を助長させる恐れがあります。

 麻生氏は10日の参院財政金融委員会で「武漢発のウイルスの話で、『武漢ウイルス』というのが正確な名前だ」と発言。「武漢ウイルス」という言葉を計5回使用しました。

 これに対し、ツイッターでは同日、自民党の長尾敬衆院議員が「麻生大臣、素晴らしい! 中国は、世界にウイルスを蔓延(まんえん)させたのは日本と韓国の対応失敗によるものとの情報操作を始めています。だから武漢ウイルスと呼ぶ必要がある」と投稿。同党の山田宏参院議員も「流石(さすが)! 麻生大臣も『武漢ウイルス』とはっきり述べてくれた」と“共鳴”しました。

 WHOは2015年5月8日の声明で、同年に流行したMERS(中東呼吸器症候群)という病名が「特定の地域や民族のコミュニティーに対する反発を引き起こし、不当な貿易障壁や不要な家畜の処分を招いた」と指摘。同月にガイドラインを発表し、▽地名▽人名▽動物や食品の名称▽特定の文化や産業、職業の名称―を感染症の病名に用いないよう定めました。WHOは2月11日に新型コロナウイルスによる肺炎を「COVID(コビッド)―19」と命名しています。


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