2020年3月10日(火)
コロナ暴落の様相
金融市場直撃 企業業績の悪化必至
新型コロナウイルスの感染拡大が金融市場を直撃し、「コロナ暴落」の様相を呈してきました。経済活動を反映する原油価格も値崩れし、封鎖や隔離、移動規制、入国制限など各国で打ち出される感染封じ込めの対策によって、企業業績の悪化は避けられない状況になってきました。安倍晋三政権が成長戦略の一つに掲げてきた観光立国にも暗雲が立ち込めています。
9日の日経平均の終値は前週末比1050円99銭安の1万9698円76銭で、下げ幅は2018年2月6日以来の大きさとなりました。外国為替市場では比較的安全とされる円が買われ、円相場は一時1ドル=101円台半ばに急騰しました。輸出企業への影響は必至です。
株式市場では大量の売り注文が集まり、円高が業績悪化に直結する自動車や電子部品など輸出関連銘柄や、銀行、情報通信、鉄道といった内需関連銘柄も値を崩しました。
日経平均は直近の高値を付けた2月6日からの約1カ月で17%超の大幅安となりました。東証1部の時価総額は524兆4565億円と、昨年末比で約123兆円減少しました。
中国、韓国からの入国制限は、安倍晋三政権が成長戦略の柱としてきた観光立国にも影響。「外国人観光客が減少しているほか、観光施設や宿泊施設における国内観光客のキャンセルが増加している」(北海道・旅行代理店)などの悲鳴が上がっています。
内閣府が9日発表した2019年10~12月期の国内総生産(GDP)の改定値は、年率換算で7・1%減と速報値(6・3%減)から大幅に下方修正されました。
昨年10月の消費税増税によって土台が崩れている中で、新型コロナウイルスが景気悪化に拍車をかけています。