2020年3月10日(火)
特措法改定 法律家ら反対
緊急声明 自由と人権 幅広く制限
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安倍政権が狙う新型コロナウイルス対策のための新型インフルエンザ特別措置法「改正」に反対する憲法研究者や弁護士が9日、都内で記者会見し、緊急声明を発表しました。
声明は、安倍政権が現行の特措法の対象に新型コロナウイルス感染症を追加する法改定を13日までに成立させようとしていることについて、同法に規定された内閣総理大臣の緊急事態宣言のもとで「行政権への権力集中、市民の自由と人権の幅広い制限」が可能になるものだと指摘。「日本国憲法を支える立憲主義の根幹が脅かされかねない」と批判しています。
声明は、安倍政権が本来必要な対策をいままで取らないまま過ごしてきてこの段階に至って緊急事態法制を導入することは「感染防止、拡大防止と具体的にどうつながるのか、大いに疑問」として、「法改正の撤回」と同法そのものの「根本的な再検討」を求めています。
会見で、右崎正博独協大学名誉教授は「(安倍政権は)改正法に基づいて一挙に緊急事態宣言に突き進もうとしている。何よりも問題なのは国民に十分な説明責任を果たしていない」と批判しました。梓澤和幸弁護士は「この危機を乗り越える希望を語るのが政府の責任ではないか」と述べ、中小企業や経済的な打撃を受ける事業者への大幅な財政措置など「真に必要な対策に取り組むべき」と訴えました。
会見には他に田島泰彦・元上智大学教授、宇都宮健児元日弁連会長、澤藤統一郎弁護士が出席しました。