2020年2月28日(金)
いま「赤旗」が旬
ベネッセ“丸抱え”衝撃
大学入試「改革」と教育産業が癒着
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受験生を苦しめる入試システムの背景を探り、国と教育産業との癒着ぶりを追及する「シリーズ 大学入試『改革』」。この「改革」をビジネスチャンスとする大手教育関連会社ベネッセ“丸抱え”の実態が、衝撃を与えています。
「高校生個人情報の管理先に ベネッセの影 公表住所に事務所存在せず」(1月31日付)では、データを管理する団体は公表された事務所にないことを告発。個人データが企業に蓄積され、目的外使用も可能なことを明らかにしました。
23日には「ベネッセ新疑惑 IDシステム独占ソフト販売 高校生にダイレクトメールも」を掲載。国の委託研究によるサイト利用に必要なIDをめぐり、有料ソフト開発による利益独占や、情報の2次利用など“丸抱え”ぶりを取材しました。
利権まみれの構造は、ツイッターで大きな反響を呼んでいます。京都工芸繊維大学教授の羽藤由美さんは、記事を写真で紹介し、「こんないい加減な組織に全国の高校生の個人情報を渡すわけにはいきません」とツイート。23日付についても「『ベネッセ新疑惑』って、まだあったの? 本当なら最も深刻かも」とツイートしました。
ほかにも「利権まみれのポートフォリオを大学受験で使用はおかしい。学校は利益市場ではない」「ベネッセ疑獄事件への第一歩」「まさに大学入試『改革』がベネッセのための改革といわれる証拠」などのツイートが。流出数が3504万件に及んだ同社の個人情報流出事件(14年)を示して、「ベネッセはとにかく個人情報を集めて利用していて、本当に嫌になります。個人情報漏えい事件のあった企業に他者との比較もなしに発注しているのはおかしい」との怒りの声もあがっています。
こうした入試「改革」の一番の被害者は、未来ある子どもたちです。ベネッセによる利益誘導の悪らつさとともに、癒着を生む入試システムをつくり、利益誘導を黙認した政府の責任も強く問われており、今後も追及を続けます。