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2020年2月27日(木)

論戦ハイライト

検事長定年延長の論理は破綻

藤野議員の質問

 日本共産党の藤野保史議員は26日の衆院予算委員会で、安倍晋三内閣が1月31日に閣議決定した東京高検検事長の定年延長について質問し、戦後の日本国憲法に基づいて、検察官の職責の重要性を踏まえて検察庁法で定年年齢が定められているとして、閣議決定の撤回を要求しました。


藤野 人権侵害繰り返さないという憲法の精神で刑事訴訟法も検察庁法も制定。同じ認識か

森法相 見解に変わりはない

写真

(写真)質問する藤野保史議員=26日、衆院予算委

 藤野氏は、「桜を見る会」疑惑で弁護士らが安倍首相を刑事告発したことに言及。「刑事訴訟法上、告発を受けたら、検察や警察は調書をつくらねばならず、関係する書類や証拠を検察官に送付しなければならない。検察官が重要な役割を果たす」と述べました。

 検察に強制捜査権があることに触れ、「桜を見る会」前夜祭で問題になっている明細書などについて、「検察がANAインターコンチネンタルホテル東京などから入手することは何ら難しくない。そのトップが検事総長だ」と述べました。

 その上で藤野氏は、検察官の特別の定年制度は、戦前の反省に立った日本国憲法に由来すると指摘し、追及しました。

 藤野 刑事手続きにおける人権侵害を二度と繰り返さないという憲法の精神を具体化したのが刑事訴訟法だ。検察については、検察庁法が制定された。これらが憲法に由来するというのは同じ認識か。

 森雅子法相 見解に変わりはない。

藤野 帝国憲法の論理まで持ち出す無理筋。この大本が閣議決定だ。撤回すべきだ

法相 いまの国公法の趣旨と同じだ

 藤野氏は、この日朝に法務省から示されたメモで、戦前の「裁判所構成法」に盛り込まれている定年延長の趣旨が、現行の国家公務員法の定年の趣旨と同じであり、国公法の定年制度が適用できるとしたことを批判。「裁判所構成法は大日本帝国憲法下の法律で、司法行政権は当時の行政府である司法大臣の監督下にあった。三権分立はきわめて不十分であり、そのもとにあった裁判所構成法がここでなぜ持ち出されてきたのか。その論立て、理屈そのものが大問題だ」と批判しました。

 藤野氏は、戦後、裁判所構成法の否定から議論が始まったことを、当時の国会答弁を引きながら追及。「それをこともあろうに、解釈を変えるときに持ち出してきた。本当に許しがたい。憲法のもとで積み上げられてきた解釈、人権保障、司法の独立、そのもとでの検察官の職責の特殊性と検察独自の定年制度、この論理を崩せない。だから大日本帝国憲法の論理を持ち出してきた。まったく通用しない無理筋な解釈だ」と批判しました。

 藤野 このおおもとにあるのが1月31日の閣議決定だ。撤回すべきではないか。

 法相 (裁判所構成法の)趣旨は、いまの国家公務員法の勤務延長の趣旨と同じだ。

 破綻した論理にしがみついて、こう強弁した森法相。藤野氏は、安倍内閣が集団的自衛権の行使容認など憲法破壊の政治を強行してきたとして、「今回は、検察トップの人事にまで手をつけようとしている。そこに本来であればもの申す人事院や内閣法制局も、ウソと偽りのモラル破壊が起きている。総理を守るために、政権・官僚ぐるみでウソをつく。こんな政治は終わりにしなければならない」と強調しました。


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