2020年2月21日(金)
「桜」公文書廃棄 虚偽が濃厚
宮本議員が追及 「廃棄履歴も調査を」
19日、衆院委
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安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の私物化疑惑をただす野党に対し、政府は同会の招待者名簿などの廃棄を隠れみのにして詳細について答えず、調査も拒んでいます。日本共産党の宮本徹議員は19日の衆院予算委員会で、招待者名簿などの廃棄について虚偽だった可能性が高いことを追及しました。
8カ月隠ぺい
宮本氏は、内閣府が「桜を見る会」の招待者の内訳資料の存在を把握しながら、1月21日に国会に提出するまで隠していた問題を追及。宮本氏が昨年5月9日の資料要求で「桜を見る会」の参加者が増えた要因について説明を求めたにもかかわらず、資料提供をしなかったとして次のようにただしました。
宮本 資料を8カ月にわたって隠ぺいしてきた。許されない話だ。
内閣府の大塚幸寛官房長 しっかりとした資料ではないと考えていた。
宮本 (内訳資料は)誰がどう見たって、総理大臣等の枠が増えていると説明できる資料だ。
菅義偉官房長官 概略はわかったと思う。
宮本 概略がわかるなら出すというのが本来、行政府がとるべき態度だ。
宮本氏は、官僚が官邸に「忖度(そんたく)」して資料を隠したとして「でたらめに参加人数を増やしていった安倍首相と官房長官の責任も大きい」と批判しました。
説明にも矛盾
さらに、宮本氏は、招待者名簿などを廃棄したという説明にも矛盾があることを指摘しました。
内閣府は、「桜を見る会」の招待者名簿等を5月9日ごろに廃棄したと説明していますが、同ファイル内には各省庁宛てに詳細な枠を示した推薦依頼文書もあります。2018年と19年に内閣府が各省に送った推薦依頼文書の文面はまったく同じです。宮本氏は「推薦依頼の文書ないし、ひな型の文書なしで、どうやって同じもの(推薦依頼文書)ができるのか」と述べ、次のようにただしました。
宮本 全部、一言一句記憶しているか、本当は廃棄していないか、のどちらかだ。
大塚官房長 まずノウハウがある。また、各省と(推薦依頼文書の)確認が必要であればできる。
宮本 驚きだ。他の省庁に昨年分(の推薦依頼文書)を出してもらって作ったと。本当にそんなことやっていると思うか。
菅官房長官 官房長が答えた通りだ。
宮本氏は、発出元の内閣府が推薦依頼文書を廃棄したから、発出先の各省に教えてくれと問い合わせるはずがないとして、問い合わせたというなら各省とのやりとりの記録を出すよう要求。大塚官房長は「現時点では記録が残っていない」などと答えました。
宮本氏は、「おかしいでしょう。菅官房長官、今のやりとり聞いて、目を覚ましてほしい」と強調。「私がいっている方がおかしいと思う方、手を挙げてください」と与党議員に呼びかけましたが、誰も手を挙げませんでした。
宮本氏は「このやりとりを聞いたら、普通の政治家が思う感覚です」として、「廃棄自体がウソだったのではないか。廃棄ログ(履歴)も含めて調べてほしい」と求めました。