2020年2月16日(日)
きょうの潮流
本格的な花粉の飛散が始まりました。今年は関東をはじめ、平年よりも早い地域が多い。めぐってきたつらい時期。そのうえマスクが足りないなんて…▼新型肺炎の国内感染が広がっています。各地で認められ、国内初の死者や院内感染の疑いも。専門医が「局面が変わった」と呼びかけるなど、いかに感染を防ぎ、検査や治療態勢を早急に確立するか。水際中心からの転換が求められます▼「いま一番、世界中が心配しているのが日本」。WHO(世界保健機関)の専門家がそう指摘するように、クルーズ船への対応をふくめ、政府の対策に不安や不信の声が上がっています▼共産党が緊急対策を申し入れたように、いま必要なのは野党の意見にも真剣に耳を傾け、あらゆる力を結集して事に当たることです。己の保身や東京五輪への影響を恐れて、手をこまねき、後手に回る。そんな事態を招いてはなりません▼感染を拡大させないためには、症状が出たら仕事を休むことが肝要です。感染したタクシー運転手や屋形船のアルバイトはともに70代でした。仕事が休めない、高齢になっても働かなければならない。そういう社会の根強い風潮やあり方を見直さなければ▼いま1年前の国会質問が話題になっています。国立感染症研究所の定員や予算を削りつづけ、体制を弱めてきた政府の姿勢を追及した田村智子議員。国民の生命や健康への重大な脅威となるとして、こう警告していました。「感染症対策は、国の安全保障政策そのものではないか」