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2020年2月6日(木)

新型肺炎 再検疫のクルーズ船乗客

「じっとしているしか」

待機長期化で医療など不安

 横浜港沖に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」内で、新型コロナウイルスの感染者が確認されたため、乗客全員が原則14日間の船内待機を強いられることになりました。長期化する待機生活で、医療態勢の不安などを訴える声が上がっています。(岡素晴)


写真

(写真)客室待機のため、人影が消えたクルーズ船内の廊下。部屋の入り口ドア前には食事を終えた食器が置かれています(乗客提供)

横浜港沖に停泊中

 北海道から妻と2人で16日間のクルーズに参加した70代男性が本紙の電話取材に応じました。男性によると、事実上の「隔離」状態に置かれると知らされたのは5日早朝の船内アナウンス。午前8時20分には「検疫が少なくとも14日間は続く」と伝えられました。

 「こんなことになるなんて全く予想しなかった。部屋の外に出られないから、じっとしているしかない。1日ならまだいいが、14日となると」と嘆きます。

 食事は前日までビュッフェやレストランで楽しむことができました。待機が始まった5日からルームサービスに。昼食は午後1時半と遅めの提供だったといいます。

 船の構造は18階建て。乗客・乗組員合わせて約3700人が乗り込んでいますが、医務室は4階の1カ所のみです。男性は、乗客の医療ニーズに対応する船内の常駐スタッフについて、船医と看護師の数が少なく不安だと話します。

 クルーズ客の多くは、現役を退いた高齢者とも。「70~80代になると、脳梗塞や心臓病にかかって手術を受けた経験がある人も多い。ストレスを強いられる中で、病気が多発したら、対応できる医療スタッフが十分なのか、かなり不安です。私は持病の薬を余分に持ってきたのでいいけれど、そうでない人は薬が尽きて大変でしょう」

 男性は、災害時の避難所のように一人ひとりの医療や生活上の相談などに対応できる専門職の態勢を整えるべきだと強調。「検疫優先なのは分かるが、政府に言いたいのは、私たちは人間であって動物ではないということ。情報もまだ不十分です。新聞がないからスマホでネットニュースを見て状況を把握している」と語りました。


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