しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年2月6日(木)

きょうの潮流

 公開中の映画「AI崩壊」は“怖い”映画です。舞台は10年後の日本。少子高齢化はさらに進み、国家は崩壊寸前。人工知能であるAIが全国民の個人情報や健康を一括管理しています。そのAIが突如暴走し、年齢、年収、病歴などを基に命の選別を始めた…▼架空の設定ですが全くの絵空事とも言い難い。現実の世界でもAIは、さまざまな場面で活用されています。例えば就職試験。人間でなくAIが面接する時代が来るとは一昔前には考えられないことでした▼一方でAIによる差別も問題に。2018年には米アマゾン社のAIを活用した採用システムに偏りがあったことが判明。AIに過去10年の採用実績を学習させたところ、過去にならい、女性を低く評価したのです▼元日放送のNHKスペシャル「未来への分岐点」はAIの軍事利用を報じました。ロシアの企業がAI兵器「カミカゼ・ドローン」を開発。米国はAI兵器の実戦配備を発表。中国もAIの軍事・民間活用で世界の頂点に立つと宣言。いずれも分岐点は10年後です▼番組はシリアで活動する米国人ジャーナリストがドローン攻撃を受けたと伝えました。通話記録や位置情報の解析からAIにテロリストと判断された、と米政府を訴えています。米国家安全保障局から流出したとされる機密ファイル“キル(暗殺)リスト”の存在も。彼を支援する人権団体が情報開示を求めています▼対応を誤れば先端技術が人類の脅威になりうる。映画を現代への警告と受け止めたい。


pageup