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2020年2月6日(木)

米が小型核配備公表

潜水艦に「使いやすい」新型

 【ワシントン=池田晋】米国防総省は4日、爆発力を通常よりも抑え「使いやすい」とされる新型の核弾頭W76―2を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を、海軍が実戦配備したと公表しました。ルード国防次官(政策担当)名で声明を発表しました。

 全米科学者連盟(FAS)は1月29日、政府関係者への聞き取りをもとに新型核弾頭W76―2がオハイオ級原潜「テネシー」に積まれ、昨年末から大西洋上で任務についているとの報告を公表しており、国防総省がこれを追認したかたちです。

 同省の声明は、W76―2が「迅速で、より残存性の高い戦略兵器」を米軍にもたらすもので、同盟国に対する米国の「拡大抑止(核の傘)の約束を下支えする」ものだと説明。「ロシアのような潜在敵国」を念頭に置いたものとしていますが、搭載艦や配備地域には言及していません。

 トランプ政権は2018年2月に公表した「核態勢の見直し(NPR)」でロシアへの対抗策の一つとして、W76―2の開発方針を表明していました。

 W76―2をめぐっては、核使用の敷居を下げる無用で危険なものとの批判が議会や専門家からあがっています。トランプ政権の離脱によって米ロ間の中距離核戦力(INF)全廃条約が失効する中、核をめぐる大国間の緊張をさらに高めることになりそうです。


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