しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年1月31日(金)

論戦ハイライト

参院予算委 田村副委員長が質問

「桜」疑惑 安倍首相に迫る

 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の私物化疑惑―。日本共産党の田村智子副委員長は30日の参院予算委員会で、安倍首相が地元支援者を大量招待し、マルチ商法会社の元会長にまで招待状を送っていただけでなく、自民党の地方議員を大量招待して総裁選対策に利用していたことを告発しました。


写真

(写真)安倍晋三首相に質問する田村智子副委員長(右端)=30日、参院予算委

図

(写真)「桜を見る会」の招待状を宣伝するジャパンライフの文書

図

(写真)「桜を見る会」参加者(入園者)数の推移

「マルチ」会長なぜ招待? 被害者の声に首相答えず

 田村氏は、安倍首相がマルチ商法会社「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長を「桜を見る会」に招待し、同社が招待状を“最後の荒稼ぎ”に利用していた問題を指摘。「結果として多大な実害をもたらした」として、安倍首相の道義的責任をただしました。

 田村氏が「主催者、招待者としてどう受け止めているか」とただしたのに対し、安倍首相は「一般論としていえば、『桜を見る会』が企業や個人の違法、不当な活動に利用されることは決して容認できない」というだけでした。

 田村 ジャパンライフ会長だった山口氏は「桜を見る会」に招待されるような功績・功労のあった人物か。

 麻生太郎財務相 マルチ商法でしたっけ。その初期に出ていた名前の人だったなという記憶しかない。

 田村 (山口氏は)悪質なマルチ商法を繰り返した有名人。勉強している政治家なら知らないはずがない。総理も、当然、ご存じですよね。

 首相 私自身はつまびらかに承知していない。

 ここでも言い逃れの答弁に終始する安倍首相。田村氏は、被害者から届けられた「こんな人物を、なぜ、安倍総理は招待したのか」「招待状を出した責任を誰がとるのか」との声を紹介し、「この声にどう答えるか」と重ねて安倍首相の責任をただしました。

 ところが、安倍首相は「個人に関する情報であるため、招待されたかどうかも含め、回答を差し控える」などと繰り返すだけ。審議は、たびたびストップしました。

 田村氏が「(首相が)『容認できない』という事態が起きているのだから、調べるべきだ」とただすと、安倍首相は「個々の招待者について今から調べることは困難」などと答弁。田村氏は「『臭いものにふた』。これでは政治そのものが腐ってしまう」と強調しました。

自民地方議員を大量招待 支援者増狙いアピールか

 「桜を見る会」への政治推薦枠の招待者数が9494人(前年比25%増)と最も多かった2018年。田村氏は、この年だけ自民党の地方議員が大量に招待されていたことを指摘し、安倍首相が同年9月の自民党総裁選をにらみ、「安倍総理の支援者を増やす目的があったのではないか」と追及しました。

 18年の「桜を見る会」に関して「読売」(18年5月4日付)は〈自民党衆院議員の一人は思った。「これは党総裁選を意識した地方の『党員票』対策の一環なんだな」〉とする記事を掲載していました。

 田村 12年の総裁選では地方党員票で安倍首相が石破茂氏を上回ったのがわずか6県。リベンジを果たすべく地方議員を「桜を見る会」に大量招待したのではないか。

 安倍首相 私の事務所の一存で招待者を増やすことは困難と考えている。

 内閣府によると、地方議会の推薦基準は「道府県の知事および議会議長等の2分の1」とされています。しかし、「京都」(19年11月30日付)は「内閣府が自民党所属の京都府議と滋賀県議全員に招待状を送っていた」と報道しました。

 「いつもですと各県の自民党の幹事長のみが招待を受けるのですが今年は各県議も招待されるとのことです」(福島・長尾トモ子県議)、「普通は、県議会議長など要職の方しか参加することができないと聞いておりましたが、大変名誉なこと」(山形・柴田正人県議)。

 田村氏はSNSで語られた自民地方議員の大量招待の事実を裏付ける“証言”を示し、18年の「桜を見る会」への参加が確認できた自民地方議員は121人、自民党都道府県議の約1割(「赤旗」日曜版調査)にのぼると告発しました。

 18年の「桜を見る会」の前日には都内で自民党の「都道府県議会議員研修会」もセットで開かれ、安倍首相がきついスケジュールのなかで地方議員と写真撮影し、参加議員から感謝されていました。

 田村氏は、「安倍総裁は歴代総裁の中でも、とりわけ私たち地方議員を大切にして下さっていると感じる」(東京・早坂義弘都議のブログ)などを紹介。18年は森友学園公文書改ざん、加計学園疑惑、財務省官僚トップのセクハラ、自衛隊イラク派遣日報隠ぺいなど数々の問題に批判が強まり、内閣支持率が落ち込んでいたとして、苦境に立たされていた安倍首相が総裁選を視野に地方議員にアピールしたのではないかと追及しました。

 田村 桜を見る会が総理によって、総理の座に居座り続けるための手段としても利用された。

 首相 自民党の総裁選挙に勝つというのはそう簡単なことではない。

 開き直る安倍首相。田村氏は「こういう事実の一つ一つを見てみると、総理が桜を見る会を利用して自分の支援者を増やし続けてきた」と強調しました。


pageup