2020年1月31日(金)
アフリカ豚コレラ対策法が成立
予防的殺処分が可能に
参院農水委 紙氏賛成表明
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アジア各国で感染が広がっているアフリカ豚コレラ(ASF)の国内での拡大防止を目的とした家畜伝染病予防法改正案が30日、参院本会議で採決され、全会一致で成立しました。
同改正案は、衆議院農林水産委員長が提出したもの。ASFまん延防止のためにやむを得ないと認める時は、感染していない豚も殺処分(予防的殺処分)できる内容です。予防的殺処分は、これまで2010年に宮崎県で感染が広がった「口蹄(こうてい)疫」に限られていました。
本会議に先立つ参院農林水産委員会で日本共産党の紙智子議員は、国内でASF未発生の状況で予防的殺処分を可能にする緊急性・切迫性について質問。衆院農水委員長代理の宮腰光寛議員(自民)は、ASFに有効なワクチンも存在せず、水際ではASFウイルスの遺伝子を含む肉製品等が80件以上確認されていることにふれて「予防的殺処分を可能とするための法整備を一刻も早く行う必要がある」と答えました。
紙氏は「国会として迅速に対応する局面だ」と賛成を表明。その上で「予防的殺処分は財産権に踏み込むもので、しっかりとした関係者の理解と補償が必要だ」と強調し、政府に必要な対策を求めました。