2020年1月29日(水)
論戦ハイライト
衆院予算委 宮本議員の質問
開催要領から逸脱
参加者 幅広く募る
首相主催の「桜を見る会」の参加者急増は、安倍晋三事務所が幅広く参加者を募りはじめたことが要因だ―。日本共産党の宮本徹議員が28日の衆院予算委員会で、安倍首相の責任を厳しくただすと、安倍首相は支離滅裂な答弁に終始。「桜を見る会」の趣旨に反して、私物化していた実態があらためて浮き彫りになりました。
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「桜を見る会」の参加者は毎年1万人前後で推移していましたが、安倍政権になってから急速に膨らんでいます。(グラフ)
安倍首相が「招待基準があいまいな中、人数が増えてきた」と述べ、「長年の慣行」でごまかそうとしたのに対し、宮本氏は「安倍政権以前も招待基準は同じだ」と反論。安倍事務所が支援者に“幅広く参加を募る”申込書を配布していたことを示し、参加者が膨らんだのは“推薦”ではなく“募った”からだとして、次のようにただしました。
宮本 麻生財務相が総理のとき、地元事務所が「桜を見る会」に“幅広く参加者を募る”ことをやったか。
麻生太郎財務相 ありません。
宮本 安倍首相になってから始めたということだ。“幅広く募る”のは、長年の慣行ではなく、安倍政権7年の慣行だ。
首相 “幅広く”とは“偏りがないように”ということだ。
シドロモドロに答える安倍首相に対し、宮本氏は「功績・功労に関係なく、“幅広く募る”のは、開催要領からの逸脱だ」とごまかしを厳しく批判。さらに追及を重ねると、安倍首相の支離滅裂な答弁はエスカレートしていきました。
宮本 (安倍事務所が参加者を)“募集”していることはいつから知っていたのか。
首相 私は“幅広く募っている”という認識で、“募集”している認識ではなかった。
宮本 “募る”とは、“募集”と同じだ。その認識なく、“募る”という言葉を使っていたのか。
首相 新聞等に広告を出して、ということではない。
委員会室からは「えー」「めちゃくちゃだな」との、どよめきが。
宮本氏が「地元からの参加者が増えているという認識はあったか」とただすと、安倍首相は「そう(増えていると)いう認識はなかった」などと答えました。
夫婦そろって私物化
出てくる資料すべて真っ黒
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宮本氏は、桜を見る会の正式な受付開始の8時半前から、安倍首相が後援会員らと会場で写真撮影をしている問題を追及。「安倍後援会を特別扱いし、便宜をはかったということではないか」とただしました。
首相動静では、2014年は午前8時21分、15年以降は7時台に後援会員と撮影を始めています。
宮本 なぜこんなに早く行くようになったのか。
首相 招待者の方との交流の時間を少しでも長くとりたいという思いからだ。
宮本 首相動静を見れば、まずやっているのは地元後援会のみなさんとの写真撮影だ。後援会員がどんどん増えたから、総理も早く到着するようになったのではないか。
安倍首相の当日の行動については、内閣府が提出した「桜を見る会における総理行程(案)」では全面を墨塗りにしています。宮本氏は、メディアにも報じられているのに全面墨塗りはおかしいとして、「結局、総理に関わるものは名簿も出てこない。そして出てくる資料は真っ黒。全部隠ぺいだ」と指摘しました。
私物化は、安倍後援会だけでなく、安倍昭恵夫人からの推薦への安倍首相の関与にも及んでいます。
宮本氏が、昭恵氏からの推薦人数について質問すると、安倍首相は、昭恵夫人の意見を聞き事務所に伝えたと説明。しかし、具体的な人数については、「本人もつまびらかではない」などと答えたため、野党議員からは「数え切れないほど呼んだのか」と声が飛びました。
宮本氏は、「赤旗」記者がネット上を調べただけでも、昭恵夫人が名誉顧問だった農業集団十数人など143人が招待されているとして、次のようにただしました。
宮本 5年連続や、毎年呼ばれている人もいる。毎年同じような人に送っているのにリストも記憶もないのはおかしい。
首相 推薦名簿を廃棄しており、定かではない。
宮本氏は「夫婦そろって公的行事を私物化したということじゃないか」と厳しく批判しました。