2020年1月22日(水)
成果重視 賃金を抑制
経団連経労委報告 内部留保触れず
経団連は21日、2020年春闘の経営側指針となる「経営労働政策特別委員会報告」を発表しました。「賃上げへの社会的な期待」に言及し、「ベースアップも選択肢となりえる」としながら、「全社員を対象とした一律的な賃金要求は適さなくなってきている」と職務や成果によって差をつけ、賃金を抑制する考えを示しました。
昨年までの「経労委報告」は内部留保が積み上がっていることを認めていました。ところが、今回は内部留保に一言も触れず、国民生活も経済もかえりみずにため込みに固執しています。
安倍政権の財界への賃上げ要請についても記述が消え、「官製春闘」の破綻が明瞭になりました。
「経労委報告」は、「春闘が主導してきた業種横並びによる集団的賃金交渉は、実態に合わなくなっている」などと主張し、切実な賃金改定を攻撃しています。
国際競争力の強化につながる処遇のあり方を打ち出し、「雇用の柔軟化・多様化」の検討にも言及。長期雇用を前提としない「ジョブ型」を導入し、際限のない長時間労働を強いる「高度プロフェッショナル制度」(残業代ゼロ制度)や裁量労働制の適用を強調しています。