2020年1月21日(火)
疑惑の説明なし、でたらめな数字、オリ・パラを政治利用
施政方針 志位委員長が批判
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日本共産党の志位和夫委員長は20日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相の施政方針演説を3点にわたって批判し、昨年の臨時国会に続き野党が結束して徹底追及していくと表明しました。
志位氏は、第一に、「桜を見る会」やカジノ汚職、2人の大臣の辞任について一切言及がなかったと指摘。「安倍首相の責任が直接問われているにもかかわらず、その自覚も、説明を果たそうという姿勢もまったくない。大問題であり、徹底的に追及していく」と表明しました。
第二に、経済について「自画自賛を繰り返したが、挙げた数字がことごとくでたらめだった」と強調。首相が「日本は成長できないという『諦めの壁』は完全に打破できた」と誇ったことに対し、志位氏は、国際通貨基金(IMF)の国内総生産(GDP)成長率の世界順位を挙げ、「第2次安倍政権が発足した2012年は136位だったが、19年は172位と大きく順位を下げている。安倍総裁の任期最後の年、2021年の予想順位は188位だ」と告発。「『諦めの壁』が崩れるどころか、成長できない国にし、『絶望の壁』をつくってしまったのが実態だ」と厳しく指摘しました。
さらに、首相が「来年度予算の税収は過去最高だ」と述べたことについて、「所得税・法人税収は計1兆1980億円減っている。これは景気が悪いということだ。増えているのは消費税収2兆3270億円だ。消費税を増税すれば税収が増えるのは当たり前であり、これを自慢するのは、うそ・でたらめの類いだ」と批判しました。
第三に、「オリンピック」「パラリンピック」「五輪」の言葉を多用し、その数は19回に上ったと指摘。特に、最後の部分で「オリンピック・パラリンピックを控え、未来への躍動感にあふれた今こそ、実行の時だ」とし、憲法改定の話を続けたことについて、「オリンピック・パラリンピックと憲法はまったく関係ない。こういう政治利用を許してはならない。五輪精神をけがすものだ」と力を込めました。
記者からも「桜を見る会」とカジノ汚職、2大臣の辞任に安倍首相が言及しなかったことについて問われました。志位氏は、「桜を見る会」では、安倍首相自身が税金を使い有権者を買収した疑惑や、首相枠でジャパンライフの元会長を招待した疑い、政府が公文書管理法違反を認めたにもかかわらず、「ルールにのっとって適正」だとした虚偽答弁の問題などがあり、「首相自身の責任が二重三重に問われているのに、全くその自覚がなく、説明もしない」と批判しました。
カジノ汚職をめぐっては、「自分が任命したIR担当副大臣が贈収賄容疑で逮捕された。しかも、自ら成長戦略の目玉にすえたカジノでの汚職疑惑であり、首相の責任が直接問われている」と強調。2大臣辞任も、首相の任命責任が問われているのに説明さえ果たしていないと批判し、「あらゆる点で政治のモラル破壊が極まっており、きちんと正さなければ日本の民主主義が壊れてしまう。野党結束して追及していきたい」と述べました。