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2020年1月20日(月)

日本共産党第28回大会

第二決議案(党建設)の討論

山下副委員長の結語

 日本共産党第28回大会最終日の18日に行われた、山下芳生副委員長の第二決議案(党建設)についての討議の結語は、次の通りです。


写真

(写真)結語をのべる山下芳生副委員長=18日、静岡県熱海市

 中央委員会を代表して、第二決議案についての討論の結語を行います。

 討論は、どれも教訓と決意に満ちた素晴らしい発言で、全体として決議案と中央委員会報告を、全国の実践によって豊かに練り上げるものでした。ここでは、特に学びあいたい点を述べておきたいと思います。

党建設の意義が、自らの大志とロマンを込めて語られた

 まず、党建設の意義が、自らの大志とロマンを込めて語られたことであります。“地域、職場、学園をこう変える”という決意は、どれも胸を打つものでした。

 東京の学生の代議員は、2017年に入党してから3年の間に、民青同盟員を倍加、党員を3倍化し、支部で選挙活動や要求実現運動にとりくめるようになった教訓を語りました。注目したのは、「党員拡大に対する自分自身の構えが変化した」と語ったことです。はじめ党員拡大にはあまり前向きでなかった、それは党員拡大を、「党の消滅を回避するもの」ととらえていたからだ、しかし一昨年の「党勢拡大特別月間」で、「党員拡大は野党連合政権実現への最大の力だ。党員が増えれば増えるほどその可能性が強まっていく」と認識が変わり、入党を率直によびかけ、楽しく入党者を迎えられるようになったという発言でした。彼は最後にこう言いました。「みなさん、私には夢があります。私が在学中に、野党連合政権を実現させ、大学の学費を半額にすることです。そのためにも党支部を倍加し、もっとパワーアップしていきます」。学生党員の変革への熱い思いに、みんなでこたえて奮闘しようではありませんか。(拍手)

 関西のある職場党組織の代議員は、「大運動」で各支部が1人以上の党員を迎える目標が提起されたとき、最低でも7~8人に訴えないと無理だと最初は途方にくれたけど、41人の入党対象者に26回訴えて2人を党に迎え、「赤旗」読者でも、昨年は541部の減紙をのりこえて48部の増勢をかちとったと発言しました。この代議員も、自分たちのロマンを語りました。「損保産業の精神、『一人は万人のために、万人は一人のために』は、私たち党員の魂でもあります」「『発達した資本主義国での社会主義的変革は、特別の困難性をもつとともに、豊かで壮大な可能性をもった事業である』という一節には魂が震えます。発達した資本主義国、日本。その中の金融、損保産業の大企業の中で、豆粒のような存在の私たちですが、気概だけは負けません。100周年までに3割増しの党勢を築く運動にまい進します」と、損保で働く労働者の誇りをかけて党建設にとりくむ決意を語りました。

 福岡・直鞍地区委員会は、第26回党大会、第27回党大会に続いて、今大会に向かう「大運動」でも党員拡大目標を達成し、前大会時比124%の党をつくっています。ここでも、その奮闘の根本には、地区の政治目標実現への大志がありました。地区委員長の代議員は、「(2市2町)それぞれ2議席の各自治体の議席を3議席にする。小選挙区でも勝利する党になる。これがわが地区の政治目標です」と述べ、「この政治目標実現のために、あらゆる党活動、党建設の根幹である党員拡大を最重要課題と位置づけ、系統的にとりくんでいます」と語りました。

 支部でも、地区でも、困難に負けずに前進している党組織は、党建設の事業に大志とロマンを込めていることが共通していたのではないでしょうか。党大会での報告では、第二決議案が提起した「五つの目標」の意義について述べました。この目標をそれぞれの「地域、職場、学園をこう変える」という展望と結びつけて、党創立100周年にむけた党建設の目標をやりとげようではありませんか。(拍手)

わが党の事業の世代的継承について深められた

 討論では、わが党の事業を、若い世代に継承する課題をいかにしてやりとげるかについて、それぞれの実践をふまえて深められました。

 前大会後の3年間で23人の学生を民青同盟に迎え、8年ぶりに学生班を再建し、その中から4人の学生党員を迎えて12年ぶりに学生支部を再建したある県の常任委員の代議員は、「3年のとりくみを通して痛感していることがあります。それは、青年・学生にとってこそ、民青同盟や党は宝物だということです。『党の世代的継承』とは、“党の仕事や重い荷物を引き継いでもらう”ということではなく、“新しい世代にこそ必要な宝物を、われわれの世代で途切れさせることなく、受け渡していく”ということでしょう」と述べました。若い世代に「重い荷物」でなく「宝物」を継承する――とても大事な心構えではないでしょうか。

 討論では、「民青に来て自分の考えをもてるようになりました。悩んで助けてほしかった頃の自分に民青を教えてあげたい」「こういうことを話せる場がないので民青の活動は大事だと思う。1年生の時に出会いたかった」などの声が紹介されました。若い世代は、党や民青との「出会い」を待っています。

 地区の青年学生部の体制を強化し、民青との懇談をくりかえし行い、党のもつ「つながりのポテンシャル」を生かし、民青の活動を全力でサポートすることで、2年間に18人の加盟者を迎え、二つの民青班と二つの準備班を結成、12人の10代、20代の入党者を迎えた経験を報告した大阪・阪南地区委員会の青年学生部長の代議員は、次のように語りました。「青年はいま、進学・就職で過度な競争にさらされたり、ギスギスした人間関係があったり、長時間・過密労働で落ち着いて話をする機会が奪われています。そんななかで、なんでも話せて、学んで、仲間に出会える民青の魅力はいっそう輝いています。野党連合政権への展望が切りひらかれ、改定された綱領を手にするいま、その魅力と役割はますます輝いています」。

 青年が、党や民青との「出会い」を待っているのは、その置かれた状態に根拠があります。若い世代と党との間には「壁」がないどころか「出会いを待っている」。青年の模索と探求にこたえることができる科学的社会主義と党綱領をもつ党、それを学ぶ民青の魅力が輝いていることに確信をもって、党の側から、青年との「出会い」をどんどん広げていこうではありませんか。

 三重・南部地区委員会の地区委員長の代議員が紹介した「真ん中世代党員会議」の活動はたいへん教訓的だったと思います。大事だと思ったのは、このとりくみが、30代、40代の若い党員からも、また若い党員が所属する地域支部からも、待たれていたということであります。地域支部に1人で所属している30代、40代の党員の声を聞くと、「一番話をしたい仕事や子育てのことが、支部では世代が離れすぎていて、話題にすらできない」ということだった。とくに民青や青年支部でがんばってきた党員からは「支部の中に同世代の人がいないだけでなく、30代、40代になると、仕事も子育てもさらに大変になり、まともに活動もできなくなっている。高齢の党員ががんばっている中で、自分はこのまま党員でいてもいいのかとさえ思ってしまう」という声が出された。地区委員長は「世代的継承の遅れによって、こんな思いをこの世代の党員にさせていたのかと、胸が締め付けられる思い」と語りました。一方、こうした30代、40代の党員が1人で所属している支部のどの支部長からも「仕事や子育てで忙しい若い党員とどう一緒に活動を進めていくのか、いつも迷っていた」「若い人が1人でかわいそうと思っていた」との声が出され「真ん中世代党員会議」が歓迎されました。双方の世代から歓迎されている。同様の努力をしている京都や愛媛の代議員の発言も学ぶべき多くの教訓に満ちていたと思います。

 第二決議案は「都道府県・地区委員会が、同世代の党員が学び交流する場を積極的に重視しよう」と提起しましたが、これらの経験は、30代、40代の党員の生き生きした活動を保障するうえでも、また同世代の中で党をつくるうえでも、この提起がきわめて重要であることをうきぼりにしてくれたと思います。全党が、30代、40代の党員一人ひとりに寄り添って、こうしたとりくみにチャレンジしようではありませんか。

 討論では、若い世代と多種多様な要求で結びつくことに踏み出してみると、党との関係が驚くような発展をみせるという経験が交流されました。

 徳島・阿南地区委員会の地域支部の代議員は、12月の「集い」で30代のコンビニオーナーが入党した経験を紹介しました。きっかけは、党のコンビニ緊急提言とアンケートを県内すべてのコンビニオーナーに郵送したことからでありました。

 茨城・南部地区委員会の町議の代議員は、プロサッカー選手をめざしていた自分がどうして共産党の議員になったのか、認識の発展過程をリアルに報告し、地域づくりの活動にとりくむ若者にぜひ声をかけてほしいと訴えました。

 共通していたのは、こうした若い世代が、党に出会ったときに感じた印象であります。30代のコンビニオーナーは「みなさん良い方ばかりで話しやすく、こういった仲間なら一歩ずつ確実に前に進めると思った」と語っていたそうです。サッカー選手だった町議の代議員は「このような温かい方たちと出会ったことなどなかった」と語りました。国民の苦難軽減のために、草の根で奮闘する党支部と党員の存在と活動は、若い世代にも、困った人を放っておかない、温かい、魅力ある人間集団として映ります。自信をもって、多種多様な要求で、若い世代と結びつこうではありませんか。(拍手)

党機関の活動の発展について交流された

 党機関の体制と活動をどう強めるか、全国の豊かな経験が交流されたことも討論の特徴だったと思います。

 北海道・豊平清田南地区委員会の地区委員長の代議員は、前大会後の3年間に、党員を迎えた支部は85・4%、毎月の読者拡大の成果支部率は平均68%となっていることを報告しました。党員拡大について、くりかえし討議し、“入党の働きかけに失敗はない”“たとえ入党に至らなくても信頼は必ず深まる”ということを実際の経験を踏まえて強調するなかで、党員拡大にとりくむ支部を広げたとのことでした。

 地区委員長は「8割を超える支部で入党者を迎えた背景に、党機関の活動改善と体制強化の努力がある」として、補助指導機関の確立を強化し、毎月の地区委員会総会と、月2回の行政区別支部長会議を軸に活動を推進していること、前大会後、専従者を2人から3人に増員し、毎年4回の「地区党学校」を開き、のべ100人が参加するなど学習の努力を強めてきたことを紹介しました。3年間で390回にのぼる地区党ニュースを発行し、支部を励ます努力を強めてきたことも教訓的だと感じました。

 決議案は、「支部と党員がもつ力を引き出せる党機関になろう」と提起しましたが、この地区の経験は、決議案が提起した一つ一つの方針を着実に実践するなら、すべての支部の力を引き出せる党機関に前進できることを示していると思います。

党建設にとっても一部改定される綱領が大きな力に

 討論では、党建設にとっても一部改定される綱領が大きな力を発揮していることが語られました。

 高知の民青同盟県委員長の代議員は、綱領には、「人を主権者としてエンパワーする力がある」と語りました。参院選・県知事選を通じて1700人の青年たちと対話し、「投票へはいかない」、そのことを「申し訳ない」という青年たちの思いをありのままにつかみ、「その願いを実現するために投票へ」とよびかけてきたが、「それができたのは、綱領を学ぶことで、青年が置かれている実態が、あなたのせいではなく政治の責任だと言えるから」だと述べ、「私たちの党には、青年の切実な願いにこたえられる力があります。それは綱領の力であり、傷つけられた人を放っておかない、みなさんの存在です。実態に耳を傾け、綱領を語って、一緒に政治を変える青年を迎えていきましょう」と訴えました。頼もしい訴えでした。

 討論では、他にも民青同盟で活動する若い同志のみなさんからたくさんの発言がありました。綱領と科学的社会主義を学び、青年の願いを希望と展望につなぐ、かけがえのない役割を発揮していると、胸を熱くして発言を聞きました。大会に参加している、そして全国でがんばっている民青同盟員のみなさんにエールを送りたいと思います。(拍手)

 前回党大会以降、20代~40代の党員8人を迎えてきた京都の介護職場の代議員は、一人ひとりの思いに寄り添った支部会議の努力とともに、いま職場の矛盾が広がり、福祉がないがしろにされている政治のもとで、綱領が、希望の光になっていると語りました。この間働きかけ入党した30代の女性は、綱領を知るなかで、「大変なのは自分のせいではなかったんだ。政治を変えたい。安倍政治を変えたい」と語ったことが紹介されました。

 討論では、綱領一部改定案を学習し、“人民のたたかいが歴史をつくる”“いまの私たちのたたかいは地続きで未来社会へとつながっている”とつかんで、党員が元気になっている姿もたくさん紹介されました。

 一部改定される綱領は、党づくりの最大の理論的・政治的推進力となるに違いありません。全党が綱領の一大学習運動にとりくみ、綱領の力を全面的に発揮させて、強く大きな党をつくろうではありませんか。(拍手)

党勢拡大の独自追求を握って離さず

 党活動の総合的な推進をはかりつつ、党勢拡大の独自追求を握って離さないことの大切さも、討論から学ぶことができたと思います。

 東京・北多摩東部地区委員会の副委員長の代議員は、大運動目標にこだわって、党大会直前に、拡大数で日曜版の前党大会現勢を回復突破したことを報告しました。11月、12月、1月と、現勢回復まであと何部か、くりかえし目標にたちかえり、さまざまな理由で後退を余儀なくされても、再びとりかえして前進をめざす執念に学びたいと思います。同時にこの地区では、独自追求を、何よりも支部の力を引き出すことにこだわって進めていることも重要だと感じました。副委員長は「目標達成には、地区の目標だけでなく、支部に目標を自覚してもらうことです。支部ごとの拡大数、大会残数が、いつもわかるようにし、指導に生かしました。『何としてもやりきる』と決意した支部には工夫や努力がありました」と語りました。支部を基礎に、目標と期日にこだわって党勢拡大の独自追求を貫いていることは大変重要だと思います。

 党勢拡大は党活動の中でも一番力のいる仕事であり、党員拡大も、「しんぶん赤旗」読者拡大も、独自追求がなければ、自然成長では絶対に進みません。全党がこうした経験に学んで、独自追求を握って離さない姿勢を貫こうではありませんか。

第二決議案の修正について

 ここで、決議案発表後の全党討論、寄せられた意見、この大会での討論をふまえて、修正・補強した決議案を提案したいと思います。内容にかかわる修正は、2点です。

 一つは、第4章(3)(2)。「…新入党員が初めてチャレンジした活動を支部で評価し、励ましあい、党活動を実践する喜びと自信を育もう」という決議案でしたが、この場合、「共有し」の方がふさわしいのであらためました。

 二つは、第4章(6)(2)。民青同盟への援助の内容として、学習とともに、同盟員の生き方の相談相手となること、そのためにも援助体制をつくることが大事ではないかという意見が寄せられました。この大会でも、東京の書記長の代議員から教訓が発言されたように、これは大事だと思います。そこで、民青同盟への援助について述べた部分に「同盟員の生き方、活動について日常的な相談相手となるための体制をつくる努力を強めよう」という一文を加えたいと思います。

 そのほかの修正については、決定となるにあたっての、字句上の修正であります。


 同志のみなさん。第二決議案の討論は、経験豊かな同志の力も、入党間もない若い同志の新鮮な力も、わが党の誇りであることを生き生きと示すものだったと思います。第二決議案は、「大運動」と全党討論、そして大会での討論によって、立派に練り上げられ深められました。この決議案を、全党が党建設の探求と開拓の指針にして、野党連合政権と党躍進を実現する強く大きな党をつくろうではありませんか。(拍手)

 党創立100周年までに、後退から前進に転じる党建設は、毎月毎月が勝負です。まずこの1月、「大運動」の目標総達成のために全力をあげましょう。そして2月以降も、この前進の流れを絶対に中断させることなく、100周年をめざす党建設の「五つの目標」をなんとしてもやりとげるために力をつくすことを心から訴えて、討論の結語といたします。(拍手)


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