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2020年1月20日(月)

農政転換求め2.7万人 環境と動物にやさしく

ベルリンデモ “生物多様性守って”

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(写真)18日、ベルリンのブランデンブルク門前広場で、環境と動物にやさしい農業と健康な食料を求めて集まった農民や市民(伊藤寿庸撮影)

 【ベルリン=伊藤寿庸】環境や動物にやさしい農業や食の安全を求めて、有機農業家や自然保護、動物保護の諸団体が主催する集会・デモが、18日、ベルリン市内で行われ、全国から集まった150台のトラクターや、2万7000人の市民が参加しました。

 恒例の農業・食料の国際見本市「グリーン・ウイーク」、70カ国の農相や高官が参加する独政府主催の会合に合わせて行われたもので、政府や欧州連合(EU)の農業政策の転換を求めました。

 参加者は、牛やニワトリ、ハチなどの着ぐるみやかぶり物、手作りのプラカードで、「農薬ストップ」「生物多様性を守れ」と訴えました。

 集会は、効率重視の大規模農場や工場型畜産が、農薬の大量使用、ふん尿による地下水汚染、動物の虐待を生んでいると批判。

 環境保護団体コンパクトのクリストフ・バウツ氏は「年間600億ユーロ(7兆3800億円)のEUの農業補助金は、環境・気候・動物保護、正当な賃金支払いのために使うべきだ」と主張。大規模農場やモノカルチャー(単一作物の大規模栽培)を閉鎖し、安価な農産物の輸出で第三世界の農民の生計を奪うのはやめようと訴えました。

 ブラジルの農学者アントーニオ・アンドリオリ氏は、EUが南米の南部共同市場(メルコスル)と結ぼうとしている貿易協定は、食料輸送の遠距離化と熱帯雨林の喪失につながると批判。ドイツ製の農薬がブラジルへ輸出されていると語ると、聴衆は強いブーイングで答えました。

 農民のエリザベート・フレーゼンさん(29)は、「農業と社会が手を結べば、農民や環境に有害な政策を止められる」と連帯を訴えました。

 テューリンゲン州からトラクターで参加した有機農業家ラルフ・デンメルレさん(51)は、「135ヘクタールの畑で営農しているが、気候変動による乾燥がひどく、収量も落ちた。気候や動物を保護し、健康な食料を作るために、EUの補助金を使うべきだ」と語っていました。


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