2020年1月11日(土)
大幅賃上げ 心一つに
国民春闘共闘が方針
戦争・改憲許さない
|
全労連や純中立労組などでつくる国民春闘共闘委員会は10日、東京都内で単産・地方代表者会議を開き春闘方針を採択しました。
賃金要求は、月額2万5000円以上、時給額150円以上の引き上げ、産業内・企業内最低賃金は時給1500円以上です。
あいさつした小田川義和代表幹事(全労連議長)は、企業の内部留保の還元や最低賃金引き上げが労働界でも広がりつつあると述べ、「要求と行動の統一を重視し、格差の是正、公正な働き方の実現をめざし、心一つにたたかおう」と呼びかけました。
政府が掲げる「高齢者の就業拡大」に関して、社会保障改悪を進めながら、低賃金で無権利な働き方を広げるものだと強調。減らない年金など社会保障の確立とともに安定・安心の雇用を求めるたたかいを訴えました。
トランプ米政権によるイランへの先制攻撃を批判し、自衛隊は中東沖派遣で戦争に参加する瀬戸際にあると指摘。「改憲発議に反対する全国緊急署名」に取り組み、戦争と改憲を許さないたたかいを訴えました。
野村幸裕事務局長が春闘方針を提案。大企業の内部留保を活用した賃金大幅引き上げ、最低賃金の全国一律化、ストライキ権を背景にしたたたかいの強化、消費税5%減税―などを掲げました。
野村氏はまた、「最賃の底上げが全体の賃金体系の引き上げにつながる。わがことの問題として取り組もう」と強調しました。
最賃格差是正 8時間労働へ
各代表が発言
討論で東京春闘共闘の代表は、「若年単身者で時給1700円が必要だとの生計費調査をもとに世論を広げていく。春闘で仲間を増やし、都知事選への力にもしていく」と表明しました。
JMITU(日本金属製造情報通信労組)の代表は、「消費税が上げられたからこそ要求の切実さが増し、エネルギーも蓄積している。賃上げ・労働条件改善は企業の将来展望をつくることであり、ストライキ権も確立してたたかう」と語りました。
国公労連の代表は、「国家公務員の高卒初任給は、時間給にすると897円で全国平均の901円を下回る。公務労働者にとっても最賃の大幅引き上げは切実。地域間格差の是正にも力をいれていく」と強調しました。
全農協労連の代表は、「未加盟の職場・農協を訪問し、農協の支所・統廃合が問題になっている地域では住民とシンポジウムを開くなどしてつながり、共同して取り組む」と決意を述べました。
日本医労連の代表は、政府の公立・公的病院つぶしに対し、各地で反対運動や共同が広がっていると報告。8時間働けば暮らせる社会を実現する要求論議を徹底して、職場や地域からたたかいを広げていくと語りました。