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2020年1月10日(金)

最賃 全国一律1500円へ

8時間働けば普通に暮らせる社会めざす

運動強める青年

 2020年、最低賃金の全国一律制を実現し、ただちに時給1000円以上にして1500円に踏み出す年にしようとの声が高まっています。全労連がよびかけた最低生計費調査や、市民や若者たちの運動によって世論と政治を動かしてきました。めざすは「8時間働けば普通に暮らせる社会」です。(田代正則)


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(写真)「全国どこでも最低賃金を1500円に」とデモ行進する人たち=2019年12月22日、東京都渋谷区

 「最低賃金1500円に上げろ」―。年の瀬が押し迫った12月22日、労働問題に取り組む若者グループ「エキタス」が東京・渋谷で「最賃上げろデモ」を実施しました。コールに合わせて、沿道の若者たちもこぶしをあげました。

 参加者のひとり、ごみ収集の仕事をしている男性(20)は、足立区で家賃5万円で1人暮らし。早朝6時から8時間働いて日当1万円(時給換算1250円)、週6日働いて月収24万円程度です。

 「服が傷んで買い替えるとか、予定外の出費があると苦しい。その週の食事は、おかずを減らします」と話します。「最賃が1500円になれば、ほしいものが買えて経済もよくなると思います」

 飲食店で働く女性(28)は、手取り月23万円くらいですが「1日13時間くらい働くことも多いので、時給にすると最賃(東京1013円)近くです」。消費税増税で飲食店は客足が遠のいています。「最賃1500円は、私自身もそうですが、みんなの収入が増えて、もっとお店に食べに来てくれるようになると思います」と語りました。

東京も鹿児島も生計費ほぼ同じ

 昨年、最賃が全国最上位の東京(時給1013円)と、10月まで単独最下位だった鹿児島(現在790円)などで最低生計費調査結果が発表され、話題を集めました。

 25歳単身男性の最低生計費を一般労働者の所定時間に近い月150時間で換算すると、東京都北区で時給1664円、鹿児島市で1590円必要だという試算になりました。最賃ほどの大きな格差はありません。家賃が低い地方では、自動車所持など交通費が高くなるからです。全国どこでも最賃1500円の実現が切実です。

 東京の結果について12月18日に会見した東京地評の白滝誠副議長は「あらためて東京でも全国でも時給1500円以上が必要だとはっきりした。最賃の全国一律実現と1500円以上への引き上げを目指す運動に役立てたい」と強調しました。


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