2019年12月30日(月)
オスプレイ離着陸840回
東京・横田基地 銃口をむき出し
昨年10月から1年間
在日米軍横田基地(福生市など東京都多摩地域5市1町)に配備された米空軍特殊作戦機CV22オスプレイの飛行が激しくなっています。オスプレイ配備に反対し、基地撤去を求める平和団体の集計では、昨年10月の正式配備から今年9月までの1年間で、離陸と着陸の合計回数は確認できただけでも800回を超えました。陸上自衛隊木更津駐屯地(千葉県木更津市)には陸自が導入を計画しているオスプレイの配備が狙われるなど、首都圏が訓練拠点となっていることが浮かび上がりました。
「横田基地の撤去を求める西多摩の会」が防衛省北関東防衛局の目視情報や監視活動、市民からの目撃情報に基づいてまとめたところ、正式配備から1年間の離着陸回数は840回に上っています。
同防衛局が周辺自治体に提供していた目視情報だけでも、正式配備からの1年間の離着陸回数は575回。最高は今年6月の75回で、50回以上の月が半数の6カ月に及びました。タイでの多国間演習に参加していた2月以外は、すべて20回を超えています。
横田基地を離陸したCV22は、三沢基地(青森県)、岩国基地(山口県)、東富士演習場(静岡県)との間を頻繁に往復。低空飛行訓練、離着陸訓練を繰り返しています。今年3月には、羽村市の羽村平和委員会が撮影した写真で、後部扉から下に向けて機関銃の銃身をむき出しにし、市街地上空を飛行していることが明らかになりました。
住民「いつ落ちるか」
頭の上 好き放題
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CV22オスプレイは昨年4月に5機が在日米軍横田基地(東京都多摩地域)へ初飛来し、6月から常駐し訓練を繰り返してきました。昨年10月に正式配備され、今年7月に第21特殊作戦飛行隊が発足。2024年ごろまでにCV22が10機、兵員約450人に増強する計画です。
横田基地では、同機に加え、すでに14機が配備されているC130J輸送機の訓練も激化し、離着陸回数が急増しています。
福生市が滑走路南側の同市熊川の誘導灯付近で行っている航空機騒音調査では、測定した騒音の回数が2018年度に過去最高の1万2313回に達していました。今年度は10月時点で、前年度同月現在を1656回上回る8391回と、さらに速いペースで増加しています。
基地強化の動き
CV22を運用する米空軍特殊作戦コマンドは今月5日、横田基地への恒久配備のため、新たな駐機場の起工式を行いました。専用のシミュレーター施設についても、建設業者選定にむけた市場調査を始めるなど、基地強化の動きが強まっています。
「あきる野9条の会」の前田眞敬(まさよし)さん(75)は、事務局だよりのブログに自宅上空を頻繁に飛行するCV22やC130J輸送機の様子や写真を掲載しています。あきる野市は、多摩川をはさんで横田基地の西側にあります。
前田さんは「飛行機が自分に向かい迫ってきて、自分たちが狙われているようで怖いし、いつ落ちるかわからないという不安が大きいです。オスプレイは自分たちの思うままにいろんな飛び方をします。C130輸送機もあきる野市全域で訓練飛行をおこなっており、最近は低空で旋回を繰り返す飛行が多くなっています。病院や学校や住宅もある市街地上空が訓練場にされています。10月に、市民連合と政策協定を結んだ市長が誕生しました。オスプレイ配備撤回へ自治体と住民がいっしょになった市民ぐるみの運動を進めていくことが必要です」と語ります。
安倍自公政権が狙う木更津駐屯地(千葉県木更津市)への陸上自衛隊のオスプレイ17機の配備について、木更津市議会は今月18日、自民、公明などが5年間の暫定配備を容認する意見書を可決。同市の渡辺芳邦市長は25日、河野太郎防衛相に対し、5年以内の暫定配備受け入れを表明しました。
市議会で5年間の暫定配備容認の意見書に反対したのは、日本共産党、立憲民主党、市民ネット、無所属の4議員でした。
同駐屯地には、17年1月に、普天間基地(沖縄県宜野湾市)配備の米海兵隊MV22オスプレイの整備拠点が設置されています。
(佐藤つよし)
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