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2019年12月22日(日)

きょうの潮流

 年の瀬が来るたびに思い起こします。10年ほど前に東京の日比谷公園に開村した「年越し派遣村」のことを。解雇や雇い止めで仕事や住まいを失った非正規労働者らに寝食を提供するため支援団体が設けました▼大勢を寒空の下に追いやる大企業の冷たい仕打ち。生活と雇用を確保できない政治の無策。その姿は日本の貧しさを如実に示しました▼国民の7人に1人、ひとり親世帯の5割が貧困層。経済大国でありながら、貧困大国であることは今も変わりません。そのうえ、政府は低所得者やお年寄りにさらなる負担を強いようとしています▼これだけの巨額を、どこに使うのか。102兆円をこえる過去最大の来年度予算案にそう感じた方も多いのでは。国民の福祉やくらしを手厚くするどころか、安倍政権になってから軍事費は8年連続の増額。大企業には税金を優遇し、無用な大型開発を推し進める。逆立ちした国のかたちに怒りがわきます▼格差の拡大、貧困の連鎖、押しつけられる自己責任。それを放置すれば人心はむしばまれ、利や欲ばかりを求める社会はすさんでいきます。一方で、ともに支え合い生きようとする運動もひろがっています▼あのとき派遣村で出会った男性は語っていました。「自分が立ち直ったら周りの人を手助けできるようにならないと。自分だけ助かってもどうしようもない。そうじゃなきゃ世の中変わらないですからね」。


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