2019年12月19日(木)
仏 年金削減に反対
全労組統一行動 180万人デモ
スト強化呼びかけ
フランスのマクロン政権が進める年金削減計画に反対し、全労組が参加する統一行動が17日行われました。有力労組の労働総同盟(CGT)の発表で、首都パリの35万人など全国各地260カ所以上で180万人のデモ(内務省発表で61万5000人)が行われました。(米沢博史)
これまでストに消極的だった労組のフランス民主労働同盟(CFDT)が加わったことにより、すべての主要労組が参加する初めての全国統一行動が実現しました。デモ参加数も5日の150万人から30万人増えました。
交通機関などの無期限ストは17日で、13日目に突入しました。世論調査(17日発表)では、62%の国民がストを支持しています。17日の統一行動では、国鉄運転手の75・8%が参加しました。
それでもフィリップ首相は同日、国民議会(下院)で「年金改革を進める確固たる決意」を表明しました。
CGTやFO(労働者の力)、FSU(統一労組連盟)などストを主導してきた労組は共同声明で、「力関係を変えるためのストの強化」を呼びかけました。クリスマス休み期間に入ってもストを休止せず、年末まで続ける構えです。
16日には、今回の年金改革の起案責任者で「ムシュー年金」と呼ばれていたドゥルボワ年金改革委員(保健相付)が申告義務のある過去5年間の役歴を申告しなかったことが判明し、辞任しました。
未申告のなかには、保険会社との利害関係が指摘される役職もあります。労組側は「保険会社のための年金改革が明らかになった」などと攻勢を強めています。