2019年12月18日(水)
武器見本市にJAXA出展
子どもの期待踏みにじる
研究者ら意見書
|
武器見本市などに「はやぶさ2」や陸域観測技術衛星「だいち2号」が展示された問題で、研究者や市民でつくる「軍学共同反対連絡会」共同代表の池内了名古屋大学名誉教授らは17日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)に「武器を売る場に研究機関が出展する必要はない」とする意見書と質問状を提出しました。
意見書では、6月に千葉市で行われた防衛装備技術国際会議・展示会(MAST Asia 2019)で「はやぶさ2」の実物大の模型などを展示したことについて「海外の軍人や防衛産業の目には日本の武器輸出の宣伝塔として受けとられたに違いない」と指摘。「『はやぶさ2』に科学と地球の未来への夢を重ねてきた多くの子どもたちの期待を踏みにじるもの」と訴えています。
11月に国内(千葉市)で初めての国際的な武器見本市「DSEI JAPAN2019」で「だいち2号」の模型を展示したことは、地震や津波、台風などの地球環境の監視とは異なる「軍事目的があったことを物語っていると捉えられても仕方がない」と指摘。「JAXAは『死の商人』になるべきではない」と強調します。
池内氏は「武器見本市にJAXAが共催者として参加しどんどん軍事色が強まっていると感じる。科学研究が薄れていくと心配している」と訴えました。
小寺隆幸・元京都橘大学教授は「JAXAの山川宏理事長が防衛省・防衛装備庁技術シンポジウムで、JAXAの衛星技術について『安全保障上、有益な技術』と明確に発言したことが一番の問題だ」と指摘しました。
JAXAの広報担当者は武器見本市などへの出展について「広報の観点で出展した。DSEIは防災という観点でサポートした」と答え、意見書などを「山川理事長にきちっと届け、関係者と共有する」と答えました。