2019年12月14日(土)
首相 改憲メッセージ動画
自衛隊映像延々と 9条破壊に執念
自民の国会議員・全国組織に配布
自民党が各地の改憲集会で使用するために所属の国会議員や各都道府県連に配布した安倍晋三首相のメッセージ動画を本紙は13日までに入手しました。9条破壊を標的にした改憲への首相の異常な執念を示すものです。
安倍首相は動画の冒頭、「現行憲法も制定から70年余りが経過し、時代にそぐわない部分は改正を行っていくべき」だとしたうえ、「その最たるものが憲法第9条です」と決めつけます。
防衛大学校の卒業式の場面にはじまり、海外派兵部隊、災害時の救援活動など自衛隊の映像が延々と続くなか、首相は自衛隊を賛美し続けます。
「自衛隊合憲をいいきる憲法学者は2割」「教科書に自衛隊の合憲性の記述がある」と、それらが問題であるかのように言って「憲法にしっかり私たちの『自衛隊』を明記しよう」「違憲論争に終止符を打とう」と求めます。
全編7分37秒の動画中、実に約3分30秒が自衛隊関連。自衛隊をダシに、改憲を迫る内容になっています。
自民党の「改憲4項目」のうち、9条以外の「緊急事態条項」「合区解消」「教育」は付け足しのように一言触れるだけです。
動画の最後に安倍首相は「全国津々浦々国民的議論を深めていきたい」とのべます。
自民党関係者によると、同党は、改憲の「国民的な機運をさらに高めるため」各種集会や国政報告会で積極的に利用するよう求めています。上映に必要なプロジェクターなどのレンタル費用は助成の対象にしています。自民党流の「国民運動」の小道具として、この動画が使われることになります。
「憲法9条守れ」の声と運動を急速に広げることが求められています。