2019年12月14日(土)
テレ朝が世耕氏要求で謝罪
「桜」報道めぐり過剰対応
「年の瀬」の気分になるにはちょっと早いですが、自民党の世耕弘成参院幹事長とニュース番組「報道ステーション」(朝日系)との間で「良いお年を」騒動が起きました。
発端は10日に放送した「桜を見る会」疑惑で、政府が招待者名簿のデータの復元は考えていない、「反社会的勢力」の定義は困難と、閣議決定したニュース。関連で世耕氏が定例記者会見で「桜を見る会」疑惑は「説明できる範囲は説明できた」と言った場面が流れました。
世耕氏が問題にしたのは、「幕引き」の字幕とともに、ナレーションで「与党内は早くも年越しムード」と指摘し、世耕氏が会見後に「良いお年を」と言った場面。インターネット上に短文で投稿する自身のツイッターで“桜を見る会とは関係がない”と抗議して、翌11日の同番組内で謝罪させました。
放送前の11日夕、世耕氏は「先ほどテレビ朝日報道局長が幹事長室に来訪し、謝罪がありました」とツイートしました。事実を正確に伝えるべきですが、わざわざ世耕氏のもとへ謝りに出向くのは、過剰な対応では―。
そもそも野党の要求を無視して国会会期を延長せずに、疑惑の説明責任を果たさず逃げ回っているのは安倍首相。それに手を貸したのは与党です。「良いお年を」と言っている場合ではないはず。メディアに難癖をつけるのではなく、公選法違反疑惑が指摘され、夫の河井克行前法相とともに雲隠れを続けている河井案里参院議員を、参院幹事長として指導すべきではないのか。一連の問題で、年越しは許されません。
(小川浩)