2019年12月11日(水)
えっ「反社」定義は「困難」!?
政府答弁書
従来の指針・説明と矛盾
政府は10日、安倍晋三首相主催「桜を見る会」への招待が問題になっている「反社会的勢力」(反社)についての定義は「困難」だとする答弁書を閣議で決定しました。立憲民主党の初鹿明博衆院議員の質問主意書に対する回答。
答弁書は「反社」について、「その形態が多様」「その時々の社会情勢に応じて変化し得る」から、「あらかじめ限定的、かつ、統一的に定義することは困難」だなどと説明しています。
政府はこの間、「反社」の定義について「一義的に定まっているわけではない」(菅義偉官房長官、11月27日の記者会見)などとして、首相の「招待枠」で悪徳マルチ商法で行政処分を受けた「ジャパンライフ」の元会長などの「反社」が招待されていた疑惑での首相の責任を事実上かばってきました。
しかし、政府の犯罪対策閣僚会議幹事会が決めた「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」(2007年6月19日)は、「暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人である『反社会的勢力』」と明確に定義。今回の答弁書も、民間企業が同指針を踏まえて「反社」との「関係の遮断のための取り組み」を進めていると認めており、定義は困難という説明には重大な矛盾があります。