2019年12月1日(日)
院生に経済的支援を
畑野氏「国目標の達成直ちに」
|
日本共産党の畑野君枝議員は27日、衆院科学技術イノベーション推進特別委員会で、アルバイトなどで大学院生が研究に専念できる条件はないと指摘し、研究者が経済的に自立するために必要な支援を行うよう政府に求めました。
畑野氏は、全国院生協議会の2019年度のアンケート調査報告書の「多くの大学院生が研究とアルバイト等のダブルワークともいうべき状況に置かれている」との指摘を紹介。文部科学省の06年の第3期科学技術基本計画で、博士課程(後期)在籍者の約2割が国の制度で生活費相当額の年間180万円を受給するとの目標を掲げたのに、いまだに1割の到達にすぎないとして、「目標とした水準を直ちに達成すべきだ」と要求。文科省の梶原将大臣官房審議官は「社会情勢の変化や財政状況等を踏まえ、支援の充実に努める」と述べるにとどまりました。畑野氏は「そんなことだから進まない」と批判しました。
畑野氏は、欧州連合(EU)の「研究者に関する欧州憲章」では、研究者には博士課程の学生を含め、「公正で魅力的な資金、給与条件を保障」すると記述していると指摘し、「世界の流れを踏まえ、博士課程在籍者の自立した研究者としての地位を確立できるように真剣に検討し、次期基本計画や大学教育振興施策要項に反映させるべきだ」と主張。竹本直一科学技術担当相は、大学院生には労働者としての側面があると認め、「関係者と協議、検討したい」と述べました。