2019年11月30日(土)
26歳過労死は「労災」
神奈川審査官 不支給決定取り消し
外資系クレーン車販売会社「リープヘル・ジャパン」(横浜市鶴見区)で過労死した男性社員=当時(26)=の遺族が労災認定を求めた事件で、神奈川労災保険審査官が鶴見労基署の不支給決定を取り消し、労災と認めたことが29日、分かりました。代理人弁護士が明らかにしました。決定は26日付。
クレーン車の販売営業職だった男性は2016年5月、出張先の三重県内のビジネスホテルで急性循環不全を起こして急死。部下のいない名目上の「係長」とされ、1人で東北、北陸、甲信越、東海の12県の取引先を担当。自動車で各地を泊まりながら営業活動をしていました。
運転時間やパソコン作業を労働時間と判断しなかった労基署に対し、審査官は労働時間として認定。発症2カ月前の時間外労働時間が94時間54分、発症前2カ月間の時間外労働時間の平均が71時間22分に達しており、度重なる出張や長時間運転なども大きな負荷となったと認定しました。
遺族は「労災制度の改善や、二度と悲しい思いをする方が出ない、過労死のない世の中につながればと願います」(妻)とのコメントを発表。会見で代理人の川人博弁護士は、労災認定抑制の動きのなか「遺族救済と職場改善にとって全国的な意義を有する」と述べました。