2019年11月27日(水)
高速滑空弾1000億円超
「島嶼防衛用」 突出する研究開発費
防衛省が「島嶼(とうしょ)防衛用」として装備化を狙っている「高速滑空弾」の研究・開発段階経費が1037億円にのぼることが、財政制度等審議会(財政審=財務相の諮問機関)が25日にまとめた「建議」で分かりました。
防衛省は、武器のライフサイクル全体(更新のための構想、研究開発、維持整備など)を通じて、コストやスケジュールを管理する「プロジェクト管理」を行う重要装備品を選定しています。選定にあたり「構想段階及び研究・開発段階の経費」300億円以上が基準の一つとされていますが、高速滑空弾の同経費は基準の3倍以上。防衛装備庁が抱える30の研究開発案件のうち、同基準に該当するのは高速滑空弾と将来戦闘機の2件だけで、高速滑空弾の研究経費は突出しています。
高速滑空弾は、長射程から攻撃できる能力を持ち、敵基地攻撃に転用可能。違憲の敵基地攻撃能力保有に巨額の税金がつぎ込まれることになります。
また、財政審の建議は、兵器購入のために次年度以降に分割払いする「新規後年度負担」の増加が、軍事費のさらなる「拡大圧力になる」などと危惧を表明。同負担額の水準を抑制することが必要だと指摘しています。