2019年11月26日(火)
核兵器所有は倫理に反する
広島 ローマ教皇がスピーチ
来日中のローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(82)は24日、長崎市の爆心地公園でのスピーチに続いて、広島市の平和記念公園で開かれた「平和のための集い」でスピーチを行いました。
「戦争のために原子力を使用することは、現代において、犯罪以外の何ものでもありません」とのべ、原子力の戦争目的の使用と核兵器の所有は「倫理に反します」と強調。核戦争の脅威による威嚇を批判し、「わたしたちは歴史から学ばなければなりません」と訴えました。
一言一言、力強い意味ある
サーロー節子さんが語る
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集いに出席した広島の被爆者で、2017年のノーベル平和賞授賞式で演説した、カナダ・トロント在住のサーロー節子さん(87)は、集い終了後、教皇のメッセージを「一言一言、力強い意味があり、重く突き刺さり、胸に響いた」と語りました。
核兵器「抑止力」論を真正面から否定したことについて「非常に勇敢な思いを発表された。私だけでなく核兵器廃絶の運動に関わっているすべての人に素晴らしい勇気と支え、今後も続けていく方向性も示してくれた」と大いに歓迎しました。
一方、核兵器禁止条約に背を向ける日本政府を「被爆者の訴えにちっとも耳を貸さない」と厳しく批判。「被爆者の数もだんだん少なくなり、われわれの体験の意味を次の世代、そして世界に広く知ってもらわなきゃいけない」と力を込め、教皇の発信で核兵器禁止条約の一日も早い発効の後押しになることを期待しました。