2019年11月24日(日)
21世紀の世界をどうとらえ、どうたたかうか
民青大会 志位委員長 綱領改定で講演
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日本共産党の志位和夫委員長は23日、東京都内で開会中の民青同盟大会で、「21世紀の世界をどうとらえ、どうたたかうか」と題して日本共産党綱領一部改定案について講演し、改定案が示す新しい世界論と未来社会の展望を解き明かし、いまの日本のたたかいの前進にこの内容を生かそうと呼びかけました。
志位氏は、綱領一部改定は「20世紀に進行した人類史の巨大な変化の分析にたって、21世紀の世界の発展的な展望をとらえる」という立場を貫いたものだと強調。「『人民のたたかいが歴史をつくる』という科学的社会主義、史的唯物論の立場に立って、世界論を発展させたものです」と語りかけました。
21世紀の世界をとらえる土台は、「20世紀とはどんな世界だったか」にあるとのべ、植民地体制の崩壊、民主主義と人権、平和の国際秩序という三つの点で、「人類史上でも画期をなす巨大な変化が進行した世紀」だと強調するとともに、一部改定案で人権問題と「世界の構造変化」について補強した意味あいを説明しました。「日本共産党と民青同盟(共青)の歴史は、20世紀の人類の偉大な進歩の不滅の一部になっていることに誇りを持って、21世紀のたたかいにのぞもう」と呼びかけました。
つづいて志位氏は、現綱領で中国などを「社会主義をめざす新しい探究が開始」された国などとした規定を削除する問題について、中国にあらわれた「新しい大国主義・覇権主義、人権侵害」について詳しく解明し、「どれも社会主義の原則や理念と両立できない行動です」と強調。こうした事態が起こった根本的な問題として、(1)自由と民主主義の制度、その思想や文化が十分に存在しないもとでの革命だった、(2)近代以前に東アジアの大帝国として大国主義の歴史があることを、中国がそのことを自ら戒めた文書も紹介して指摘し、「わが党の批判は、世界の平和と進歩を進めるうえで大義ある取り組みです。どんな大国のいいなりにもならず、自主独立を貫いてきた党として国際的責任を果たす」とのべました。
21世紀の世界のとらえ方については、20世紀に起こった「世界の構造変化」が、核兵器禁止条約、平和の地域協力の流れ、国際的な人権保障の新たな発展など、生きた力を発揮しはじめていることを、豊富なエピソードをまじえて詳しく語りました。
このなかで、「ジェンダー平等社会をめざす」ことを綱領に明記するのは、「あれこれの課題の一つではなく、世界の平和と進歩の全体にとって大きな柱にすえるべき課題だからです」と力説。「21世紀は国際的な人権保障という点でも豊かな発展が花開く時代です。すべての人が尊厳を持って生きることができる日本と世界をつくろう」と呼びかけると、拍手がわき起こりました。
志位委員長は、世界の資本主義の諸矛盾にかかわって、貧富の格差と気候変動という世界の大問題について、資本主義がいちじるしい「浪費型の経済」であることを宿命としていることにも言及しつつ、「この二つの大問題は、資本主義の枠内でもその解決のための最大の努力が必要ですが、その本格的な解決のためには『資本主義の限界』をのりこえた体制改革が求められるでしょう」と展望を語りました。
志位氏は、一部改定案が「発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道」と明記していることにかかわって、その「特別の困難性」とともに「豊かで壮大な可能性」について詳しく解明しました。
資本主義の高度な発展そのものが、その胎内に、未来社会に進むさまざまな客観的・主体的条件をつくりだすが、「これらの諸条件のなかには、『国民の生活と権利を守るルール』『自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験』『人間の豊かな個性』など、人民のたたかいによって初めて現実のものとなる要素がある」と指摘。「いまのたたかいは未来社会と地続きでつながっています。そのすべてが未来社会を根本的に準備します。こういう大志とロマンのなかに現在のたたかいを位置づけ、大きなたたかいの発展を勝ち取りましょう。若い皆さんが日本の社会変革の担い手として学び、成長し、仲間を増やすことを願ってやみません」と呼びかけ、大きな拍手に包まれました。
北海道から参加した男子高校生(16)は、「格差や気候変動の問題で資本主義の限界が問われているという話が印象に残りました。なぜ社会主義をめざすのかについても深まりました。20世紀の世界の構造変化についても興味がわいたので、もっと学んでいきたい」と話していました。