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2019年11月23日(土)

仏政府 緊急対策 公立病院予算増

医療従事者 スト受け

“要求届かず”継続を呼びかけ

 公立病院の資金不足の解消と待遇改善を求める医療従事者の大規模なストが続くなか、フランスのフィリップ首相とビュザン保健相は20日、公立病院の危機打開として予算引き上げなどの緊急措置を発表しました。(米沢博史)


 政府はすでに、6月に7千万ユーロ(約84億円)規模、9月に7億5千万ユーロ規模の危機打開措置を発表しており、今回は3度目かつ最大規模となります。

 その内容は、▽公立病院の予算を来年以降、3年間で15億ユーロ(約1800億円)引き上げ、医療費抑制のために設けられた保険医療の支出目標(ONDAM)を2・4%増やす▽看護師・准看護師のうち最大6万人に補助賃金を支給する▽全国の公立病院が抱える300億ユーロの負債のうち3分の1にあたる100億ユーロを国家が負担する―など。

 3月から始まった救急病院の「無期限スト」は、公立救急病院の半数以上にまで広がっています。救急業務の中止は法律で禁止されるなか「スト中」の腕章着用や門前宣伝などの方法で実施します。公的支出の抑制策に起因する病院・病床閉鎖や人員不足、医療サービスの低下は、国民の間で深刻な社会問題と認識されており、世論調査でも8割以上がこのストを支持しています。

 来月5日には年金削減反対の全国ストが予定されており、政権としては事態の沈静化を狙っています。

 しかし、ストの中心を担っている救急共同グループ(CIU)やフランス救急医師協会(AMUF)などの医療従事者団体と医療6労組は同日、医療従事者の抜本的増員と病院閉鎖の中止、ONDAMの4%以上増や医療従事者の全職種の賃上げなどの「われわれの要求に応えていない」との共同声明を発表しました。12月17日の全国病院ストライキなど、行動の継続を呼びかけています。


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