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2019年11月22日(金)

論戦ハイライト

虚偽答弁・招待者取りまとめ・人選方法…

「桜を見る会」私物化疑惑 首相が説明するしかない

田村議員の質問

 21日の参院内閣委員会で、安倍晋三首相による「桜を見る会」の私物化疑惑をただした日本共産党の田村智子参院議員。首相の虚偽答弁、招待者の取りまとめへの関与、人選方法、名簿の廃棄―。「野党追及チーム」の一員として質問に立った田村氏の質疑で、疑惑はいっそう深まり、もはや安倍首相が国会で説明するほかない状況になりつつあります。


写真

(写真)菅官房長官に質問する田村智子議員=21日、参院内閣委

 田村議員 安倍首相が「桜を見る会」を私物化していた。「桜を見る会」そのものをゆがめてしまった。そのことを認めよ。

 菅義偉官房長官 総理は、年数重ね人数が増えたとの認識を示している。総理自身は(推薦のプロセスに)関与していない。

 菅氏は20日の衆院内閣委で、首相や自民党の推薦「枠」の存在を認めました。さらに安倍首相は同日の参院本会議で、「私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うことがあった」と明言しました。

 田村氏は8日の参院予算委員会でこれらをただした自らの質問に何一つ答えなかった安倍首相の姿勢を指摘し、「全部事実だった。ところが首相は招待に関与しないと答えている。虚偽答弁そのものだ」と批判。まともに答えず、「総理は人数が多くなったことを反省している」と言い逃れる菅氏に、「反省のひとかけらすら感じられない」と批判しました。

 「そのうち忘れてくれる。ごまかせる。安倍政権の7年間はその繰り返しだ。これで幕引きしたら政治は腐りきってしまう」。田村氏の声が委員会室に響きました。

当選のため

 田村議員 参議院選挙があるとして、実際の参加者が大幅に増えたのではないか。

 菅官房長官 「桜を見る会」の責任者であるが承知してない。

 田村氏は世耕弘成自民党参院幹事長が19日の記者会見で「改選議員には慣例的に『枠』を多く割り当てていた」と証言していることを取り上げ、「選挙の当選のために『桜を見る会』が利用されてきたのではないか」と迫りました。

 「全体を考えたうえで、自民党で判断された」と無責任な答弁に終始する菅氏に、田村氏は「公職選挙法は誰かを当選させたいという目的をもってお金や物を提供することを厳しく禁じている」と指摘。「総裁たる安倍首相が予算委員会に来て、一問一答で私の質問に答えよ」と求めました。

「昭恵氏枠」

 安倍晋三事務所による招待者名簿はどのように作られたのか。

 20日の衆院内閣委では安倍首相の妻の昭恵氏の推薦があったことが明らかになりました。

 田村議員 昭恵氏本人が招待に直接関与していたのではないか。

 菅官房長官 安倍事務所として幅広く参加者を募る中で、夫人が意見を言ったことはあった。

 推薦への昭恵氏の関与を認めた菅氏。さらにこの答弁からは「各界の功労・功績のある方」という「桜を見る会」の招待基準が、安倍事務所において、幅広く「参加者を募る」とゆがめられている事実が浮かびあがりました。

基準ゆがめ

 「安倍事務所の様式はつまびらかでない。答弁を控える」と言い逃れる大西証史内閣審議官。田村氏は、参加申込者に対し、安倍事務所が「2月吉日」付で文書を送付している事実を突き付け、「内閣府が招待状を発送するのが3月2日以降。招待状が発送されるまえに、安倍事務所から『ご参加ありがとう』という文書が2月に届く。これはおかしいのではないか」と迫りました。推薦基準をゆがめ、人選などないに等しい安倍事務所のやり方が浮き彫りになりました。

 菅官房長官は「具体的内容は承知しない」と答弁を拒否。「最終的には内閣府・内閣官房が(招待者を)取りまとめる」と繰り返す菅氏に対し田村氏は、「安倍首相に出てきてもらうしかない。そのことが明らかになった」と力を込めました。


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