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2019年11月19日(火)

「前夜祭」会場のホテル

規約は原則“前払い”

“払ってない” 首相と矛盾

 「桜を見る会」の前夜に安倍晋三首相の後援会が主催した夕食会をめぐって、会場の東京都内の高級ホテルが宴会にかかる見積額を「原則として、ご利用日の30日前までに」払わなければならないと規約を定めていたことが18日、本紙の取材でわかりました。安倍首相が18日にした“後援会が先にホテル側に支払ったことはない”という説明の信ぴょう性が問われています。

 あべ晋三後援会が4回(2015、17、18、19年)の「前夜祭」をひらいたホテルニューオータニ(東京都千代田区)。

 同ホテルが10年10月に定めた「宴会・催事規約」には、「前受金」の取り決めがあります。そこでは、「ホテルから提示いたしました見積総額を、原則として宴会場ご利用日の30日前迄(まで)に現金又はお振込みにてお支払いいただきます」としています。

 実際に、前夜祭と同時期の15年10月に900人規模でレセプションを同ホテルで開いた都内の事業所も、前払いを求められたといいます。事前に参加者数を見積もっていたものの、当日は飲み物代が予想をオーバーし、後日、ホテルから追加で請求されました。

 安倍首相の夕食会は一人5000円と格安でした。レセプションを担当した事業所の職員は「安くする努力はしたが1万円を切るのは無理。首相や菅義偉官房長官がいうように“ホテルにいえばなんとかなる”ものではない」といいます。

 元検察官の郷原信郎弁護士は「明記された規約から外れる契約を、ホテルが交わすだろうか。もし例外を認めたとすれば、ホテルが首相側に特別な計らいをし、利益を提供したということになりかねない」と話しています。

 (矢野昌弘)

図

(写真)ニューオータニの案内パンフに明記されている「前受金」の規約


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