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2019年11月8日(金)

岩国海兵隊機

沖縄「臨時」空域で事故・隠蔽

夜間空中給油で 井上議員が追及

 日本共産党の井上哲士議員は7日の参院外交防衛委員会で、米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)所属の米軍機が2016年4月、沖縄本島沖の「臨時」制限空域(アルトラブ)で接触事故を起こし、その事実を隠蔽(いんぺい)していたことを明らかにしました。


参院外交防衛委

写真

(写真)質問する井上哲士議員=7日、参院外防委

 海兵隊は9月26日、昨年12月の高知沖でのFA18D戦闘攻撃機とKC130空中給油機の夜間空中給油中の接触・墜落事故に関する報告書を公表。禁止されていた睡眠導入剤の服用や、飛行中に読書やひげ剃り、スマホで自撮りをするなどの規律違反に加え、16年4月28日、同機種同士が夜間の空中給油中に接触事故を起こし、嘉手納基地(沖縄県)に緊急着陸していたにもかかわらず、米軍は原因をまともに究明せず、日本側にも報告していなかったことが明らかになりました。

 井上氏は「この時きちんと調査していれば、その後の事故は防げた」とする調査結果を指摘した上で、事故を起こした部隊は沖縄本島沖の「タイガー」空域で訓練中だったことを明らかにしました。

 沖縄本島周辺では、少なくとも16年以降、米軍の訓練のために「一時的」に民間機の飛行を制限する臨時制限空域(アルトラブ)が大幅に拡大。しかし、実態は「固定型」で米側の使い放題になっています。「タイガー」は、その「固定型アルトラブ」であることが、米空軍の資料に明記されています。

 井上氏は、「既存の訓練空域にアルトラブが加わり、米軍の訓練空域は2年間で6割も増え、民間機は迂回(うかい)を余儀なくされている」と指摘。いつアルトラブが設定されたのかただしたのに対し、国土交通省の河原畑徹交通管制部長は「米側の行動内容なので詳細は差し控える」との答弁に終始しました。

 井上氏は、「米軍はタイガーで訓練したと公表しているのに、なぜ明らかにしないのか。いつ、どこに設定されたか国民に知らされないアルトラブで米軍は事故を起こし、それを隠蔽する。こんなことは絶対に許されない」と批判しました。

図

(写真)沖縄近海に広がる臨時制限空域(アルトラブ=ALTRV)。岩国基地所属機の空中接触事故はタイガー空域の北限あたりで発生


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