2019年11月6日(水)
台風19号 河川決壊「従来の対策検証」
国交相が武田氏に答弁
参院国交委
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赤羽一嘉国土交通相は5日の参院国交委員会で、台風19号に伴う河川の堤防決壊・越水などによる浸水被害について「国直轄河川で決壊した全ての地点で、これまでの治水対策を検証しなければならない」と表明しました。「これまでの対策の検証なくして今後の対策はない」と迫った日本共産党の武田良介議員への答弁。
武田氏は、長野県内で2200ヘクタールもの浸水被害を起こした千曲川について、地元住民は再三、堤防強化や遊水地の整備を求めてきたと指摘。千曲川を含む信濃川水系の河川整備計画(2014年)で遊水機能の「効果や必要性」に触れているにもかかわらず、何の具体策もとられてこなかったと批判しました。
さらに、JR東日本の新幹線車両基地(長野市赤沼)を挙げ、「むしろ、開発によって遊水機能を奪ってきた」と強調。約3万5000平方メートルの同基地建設時に、浸水対策として2メートルの盛り土をしたことで「7万立方メートル分の水がためられなくなり、浸水被害をひどくしたのではないか」と迫りました。
赤羽国交相は「盛り土で水の流れが阻害されるのを防ぐため排水路の整備も行った」と釈明しました。
武田氏は「地元住民は建設時から『車両基地が置かれたら浸水被害がひどくなる』との声を上げており、実際に大きな被害が起きた。ここに車両基地を置く判断は誤りだったのではないか」と追及。赤羽国交相は「意見は受け止める」としつつ、判断の是非については答えませんでした。