2019年10月28日(月)
“核兵器廃絶”“多様な社会”決意
反戦へ非同盟運動強化
第18回首脳会議 「バクー宣言」採択
【バクー=松本眞志】アゼルバイジャンの首都バクーで開かれた第18回非同盟諸国首脳会議は26日、「バクー宣言」と最終文書、関連文書を採択して閉幕しました。宣言は、非同盟運動として「国連憲章の目的と原則、条文を厳しく守る」と表明。国連の持つ「豊かな多様性」を「排除せず尊重すべきだ」として、「特定のモデルや制度をどの国に対してであれ押し付けようとすることに反対し、対話と寛容を促すことを約束する」と強調しました。
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「国際的に戦争に反対し平和を支持することに関して非同盟運動の立場と役割を強める」と表明。「大量破壊兵器なかでも核兵器が存在するためにもたらされる脅威を根絶する努力をこれまで以上に強め」「核兵器のない世界の実現のために活動するよう決意する」と述べています。
最終文書では、2017年7月に核兵器禁止条約が採択されたことを指摘。同条約が「発効すれば、核兵器の全面廃絶という目的の達成を促すことに寄与する」と評価しています。
同文書はまた、東南アジア諸国連合(ASEAN)がすすめる東南アジア友好協力条約(TAC)にも注目しました。
「TACが東南アジア諸国間の関係を律する重要な行動規範としての役割を果たし続け、地域の平和と安定を維持する基礎として現在も有効かつ適切である」ことを確認。ASEANが東南アジア地域を非核地帯・非大量破壊兵器地帯として維持すると約束したことを高く評価しました。
ASEAN諸国が懸念する南シナ海の領海問題では、名指しを避けながら中国が「域内で信用と信頼をむしばみ、緊張を高めることで平和と安全、安定を損ねている」との認識を表明。国際法や国連海洋法条約に従って「相互の信用と信頼を強め、情勢を複雑化することを避け、紛争の平和解決を追求する必要を再度表明した」としています。