2019年10月27日(日)
「松本さんで」と結束
高知知事選では初の野党統一
誰一人取り残さない県政へ
11月7日告示(24日投開票)の高知県知事選は、初めて市民と野党の共闘でたたかわれます。統一候補になったのは、7月の参院選で統一候補として善戦した日本共産党県常任委員の松本けんじさん(35)=無所属新=。この間の国政選挙での共闘はさらに前進し、県政、国政の転換をめざします。
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尾﨑正直知事(51)は8月末、4選不出馬を表明。衆院高知2区に自民党公認で出馬するとし、後継候補に総務省官僚(56)を指名しました。
高知2区は、2017年の総選挙で野党統一の広田一氏が自民党の元農水大臣に約2万票の大差で勝利し、21年ぶりに自民党の県内独占を打ち破った地元。さらに、後継候補は、大阪府の副知事時代に担当したカジノを中核とする統合型リゾート(IR)を容認(8月末の出馬会見)するなど国の悪政に追随しています。
勢ぞろい
尾﨑県政は日本共産党を除く「オール与党」型です。ただ、共産党は尾﨑県政が県民の願いに応えた積極的な施策を行ってきたことなどを評価し、2、3期目の知事選では対立候補を立てず、是々非々の立場で積極面を伸ばし、間違いは論戦と運動でただしていくという対応を取ってきました。
今回、党は9月3日、共闘を発展させる立場から幅広い県民、野党と共同し、対立候補を立てるとする見解を発表。最も早い態度表明でした。
10月12日、広田一、武内則男の両衆院議員、県内の立憲民主、国民民主、共産、社民、新社会、県議会会派「県民の会」、連合、高知県版の市民連合・高知憲法アクションの幹部が集まりました。これまでにない幅広い顔ぶれで、「すべての民主勢力がそろった史上初めての会議」(春名直章県委員長)になりました。
松本氏は7月の参院選徳島・高知選挙区で約20万票、得票率40%を獲得。無党派層の5割を超える支持を集めました。高知憲法アクションは参院選後の総括文書で「『共産党の候補では勝てない』という主張を高知・徳島合区で事実上崩した」と指摘しています。
12日の会合では、知事選も野党共闘でたたかうことが確認されました。その上で「社会保障を立て直す国民会議」の広田氏は「共産党の候補者になったとしても、一致結束しなければならない。なお、松本さんならいい候補者になる」と語りました。立民の武内代表は「もう一度、松本さんで考えてもらえないか。素晴らしい候補者だった」と要望し、連合高知の折田晃一会長も「松本さんなら、なじみがある。やりやすい」と述べました。
シンボル
各党から「松本さんで」と強く要請され、春名氏は「そこまで言ってくれる。松本さんは広田氏とともに野党共闘のシンボルだ」と感じたと言います。
この会合のもようを伝えられた松本氏は立候補を決意し、17日の出馬会見で「ここでいっしょに生きよう。だれ一人取り残さない高知県政へ」と掲げ「市民と野党の共闘という枠組みをさらに発展させ、県政だけでなく、国政にも働きかけていきたい」と表明しました。
広田氏は26日に松本予定候補の選対本部長に就任しました。
18日夜、高知市の繁華街。戦争法の廃止を求める19日行動で、広田氏は松本予定候補の隣に並んで呼びかけました。
「野党共闘によって新しい知事がどんどん誕生している。埼玉、岩手の流れを自由民権発祥の地、高知でさらに大きくしていく使命と責任が私たち野党にはある。松本けんじさんに、みなさんの力を貸してほしい」